第1章 捧げよう **赤司征十郎
洛山高校から少し離れた場所に建っている赤司の一人暮らしの家。
「お邪魔します。」
「どうぞ。」
部屋の中はシックな感じの色調で統一されており、流石赤司といったところであろうか。
は初めて訪れる彼の家に身体がカチカチに固まってしまい、今は通されたリビングのカーペットの端に正座をしている。
そんなの様子を見て、赤司はクスッと笑った。
は笑われたことに羞恥心を覚え、顔を下に向けながら言う。
「ば、バカにしないでよ征ちゃん…。」
「すまない。
…こっちへおいで。」
自分が座っているソファの隣を指差しそう言うと、とてとてとこちらへ歩いて来る。
そんな彼女の姿が可愛くてつい頬が緩んでしまう。
「また笑ってる…。」
「が可愛いからだよ。」
ちょこんと隣に座ったの肩を優しく抱き寄せながら言う。