第1章 捧げよう **赤司征十郎
「今夜、うちへ来ないか?」
赤司征十郎と付き合って一年目のこの日、高校生からしたら少し高級なレストランでの食事中急なお誘いを受け驚きを隠せないでいる。
何せ初めて家に呼ばれたのだ。
の家へ赤司が来ることはあったが、自分が招待されることはなく少し寂しさも感じていた。
しかも一年も付き合っているのにキス止まりのため、初めてのお誘いによからぬ期待もしてしまう。
「うん…。」
何時もより声の小さいを笑った赤司に、は今の自分の心も見透かされているのではないかと思ってしまう。
急に恥ずかしくなり食事をする手を速めると、そんなを見て意地悪な顔で笑う赤司。
「顔が赤いぞ。」
「赤くないもん。」
強がる彼女を可愛く思いながら、赤司も食事を再開した。