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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第21章 【ふたりの騎士道】ひよこ班、訓練す


訓練を開始した各班を観察する。ヴェインの第三班を見つけて思わず苦笑する。限界まで筋トレ、限界まで走り込み、終いにはヴェインまで走り込みに参加する始末。
「まぁ、らしいけどね」
あの班はひとまずヴェインに任せれば大丈夫だろう。どこか気分が上昇した様子で、サフィアは城内を歩くのであった。








コンコン、とノック音がして、サフィアは扉に向かって「どうぞー」と声をかけた。扉が開くとそこにはヴェインの姿。と、後ろにはひよこ班、もとい第三班の面々。
「どうしたの?そろって。誰か怪我でもした?」
「怪我って程じゃないと思うんだけど、一応さ」
言ってヴェインはクルスを促す。そしてクルスに背負われたトネリロが、サフィアの前に設置された椅子に座らされた。
「木剣で背中をゴーンってやっちまってさ」
「それは…痛いわね…」
刃ではないとはいえ、打ち合う事が可能な程の強固な木剣だ。それは刃物ではなくても充分に鈍器となりうる。サフィアは棚から塗り薬を取ると、「はいしつれーい」と言いながらくるりと椅子を回し、トネリロの背を自分の方に向けた。
「とりあえず上脱いで」
「はっ、はい…」
いそいそと上着を脱ぎ始めるトネリロ。こういう時はさっさと脱がしたくなるものだが、彼は引っ込み思案の騎士受験生だ。変なトラウマはまだ与えたくない。トネリロが上着を脱ぎ終わると、露わになった背中を確認する。
「んー…見事に青痣できてるけど、ひどくはなさそうね」
軽く押さえると「いたっ」と小さく声が上がった。
「あぁ、ごめんごめん。とりあえず薬塗っておくわね」
「は、はい」
先程取った塗り薬を患部に塗っていく。ひんやりとした心地が身体に沁みるようで、痛いはずなのにトネリロはほっと息をついていた。
「よし、これでいいでしょう」
「あ、ありがとうございます」
塗ったあとに保護として薄いシートを貼って服を着させる。そして、じーっと見つめてくる二つの視線にちらと目を向けた。
「どうかした?」
「あっ、い、いえっ」
「いやぁ、すごいなぁって思って!」
どもるモルドレッドと目を輝かせるアーサー。各々の返答にサフィアは目を細める。そしてトネリロのカルテに症状や処方を書き記しながら言った。

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