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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第21章 【ふたりの騎士道】ひよこ班、訓練す


翌朝早朝、受験生達は講堂に集められた。これからは、班にわかれて試験に臨む。一人が数人を傍で見て、各々を知り見極めるのだ。
「それでは、これから各班の班長を発表する」
各班の班長を読み上げていくランスロット。
「第三班所属、モルドレッド、アーサー、トネリロ、クルス」
「はいっ!」
ランスロットに名を呼ばれ、アーサー達はしっかりと声を上げた。
「第三班の班長は、ヴェイン」
呼ばれたヴェインが彼らの元に歩み寄っていく。
「おぉ!ヴェイン副団長が班長だ!」
「おうっ!よろしくな!俺が第三班の班長に就任したヴェインだ!第三班…またの名をひよこ班だ!」
(ひよこっ?)
思わずわずかに噴き出してしまうサフィア。ランスロットがチラとこちらを見たが、おそらく、多分、気付かれてはいない。
ヴェインいわく、まだ騎士見習いでもなんでもないひよこだからひよこ班。不服そうなモルドレット達に「えー?」とこぼす。
「ひよこ嫌か?ひよこ班って、響きがかわいいだろー?」
「はい!ひよこ班、かわいいと思います!」
笑顔で同意するアーサーに嬉しそうに頷くヴェイン。
(まだ騎士見習いですらないならひよこじゃなくてたまごなんじゃ…?)
騎士見習いでようやくひよこなのでは。サフィアの心の内のツッコミは、誰にも届かなかった。






最後に、とランスロットが一同に声をかける。
「これから訓練をするにあたり、万が一にも怪我などをすることが出てくるかと思う。応急処置の練習にもなるし、各々で対処してもらってもいいが…サフィア」
ランスロットに呼ばれ、サフィアは「はい」と返事をして前に出た。受験生達の前に出て、一同を見渡す。
「医療騎士のサフィアです。怪我をしたり、調子が悪かったりしたら医療室に来てください。とりあえず全員分のカルテはすでに用意しています。ただし」
彼女はそこで一度言葉を切り、にこりと笑みを浮かべた。
「仮病、わざと怪我をする、なんてことがあれば、みっちり思い知らせるので、心しておくように」
何を、と思ったのは受験生達。思わず震えあがりそうになったのは、ヴェインを含む試験官達であった。
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