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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第20章 【ふたりの騎士道】白竜騎士団入団試験、開始


雲一つない快晴の空は、白竜騎士団入団試験の開催日を祝う華のようだった。







玉座の間が、多くの受験生に賑わっていた。時がきたその時、受験生達の間ににわかに緊張が走る。会場の入り口からは、ランスロットとヴェインが颯爽と入って来た。彼らは彼らの前に立つと、凛とした声で挨拶を始める。
「受験生の皆、初めまして。白竜騎士団団長の、ランスロットだ」
「白竜騎士団副団長のヴェインだ。みんな、よろしくな!」
ちなみにサフィアはというと、すでに会場入りして他の騎士同様に立ち並んで見守っていた。そこに、はっと気づいた少年の声が上がる。
「あ!あれーっ!飯屋の兄ちゃん達!」
アーサーの声に、一同が注目する。
「おー!モルドレッドにアーサー!ちゃんと迷わず来れたんだな~!」
それに普通に返してしまうヴェインに、サフィアはやれやれと小さく肩をすくめた。緊張の場が台無しである。
「あの…ご飯…さっきはご馳走様でした!」
「おいアーサー!団長見ろ団長!」
続け様に声を上げるアーサーにモルドレッドが小声で小突く。ランスロットは僅かに目を細めて咳払いをした。
「コホン…静粛にしてもらえるかな?」
「はい!ごめんなさいです!」
「し…失礼しました」
団長から注意をもらい、二人は身をかたくし、モルドレッドは絶望的な顔をした。ヴェインが「しまったー!」という表情をしているが、まったくそのとおりである。
改めてランスロットは姿勢をただし、話を始めた。
「これから君達には、我が国の騎士となるための試験に臨んでもらう。我が国では、細かい条件などは問わず、騎士道精神を持つものなら、広く受け入れる心づもりだ。そこで今回からは長期の試験を課し、騎士として相応しい者をじっくり見極めたいと考えている」
ランスロットの凛と響く声に、受験生達も、騎士達も聞き入っている。騎士達にとってもこの場は、改めて考えさせられる場でもあると言える。
「君達自身は、傭兵でも騎空士でもない、ただ一国の為に、忠誠を誓う騎士の生き方をじっくり考えてもらいたい」
受験生達の目が爛々と輝く。希望に満ちた、良い目が数多くそこにあった。
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