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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第19章 【ふたりの騎士道】プロローグ


「そうか…騎士になるのか。君達、名前は?」
「…まずはアンタが先に名乗れって」
だがやはり黒髪の少年は、警戒しているのか否か、素直に答えようとしない。そんな様子にサフィアは内心はらはらしている。
(目の前にいるのが誰かわかってないにしても、大人に対する態度じゃないわよそれ…)
言われたランスロット本人はというと、気にした様子もなく、むしろ「これは失礼」と言って、その名を告げた。
「俺はランスロットだ」
「俺はヴェイン、ヨロシクな!」
ヴェインも続けて名乗り、最後にサフィアが口を開く。
「私はサフィアよ」
さて、彼らの反応は。
「俺はアーサー!」
「モルドレッドだ」
(…普通に名乗った…!)
思わずサフィアの口元が僅かに引き攣る。それを察したランスロットがさり気なく後ろ手に彼女の背をとんっと小さく小突いた。我慢、我慢である。
「モルドレッド、アーサー、ところでもうお会計は済ませたか?」
「…えっ?」
「お、お会計…?」
ランスロットの問いかけに、少年達の顔色がサッと変わる。動揺を隠せていない様子は、その目に確信として捉えられた。
「そうか…その様子だとまだだったか?」
「あ、あぁ…今払おうと思ってたところだ!」
「えっと…財布、財布…」
そのわかりやすい動作に、ランスロットは僅かに目を細めた。
「ヴェイン、サフィア、景気付けに、二人のお会計を俺達で払ってやろう」
「ははっ!そりゃいい考えだな!」
「まぁ、いいけど」
サフィアの返答をきくと、ヴェインはレジにいる店長に明るい声で言う。
「あっ!おばちゃん!この二人のメシ代さぁ、俺達のおごりにするからつけといて!」
「あいよ!ヴェインちゃん!サフィアちゃん!ランスロットさん!今日もお仕事頑張ってね!」
笑顔で応対し、店長は帳簿に五人分の金額を書き記した。
「では、また」
「ありがとおばちゃん!またご飯食べにくるぜ~!」
「ありがとうございました」
一部始終を目にして、少年達はバツが悪そうに俯いた。その様子を見て、ランスロットが静かに口を開く。
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