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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第19章 【ふたりの騎士道】プロローグ


「ちょっと!食い逃げよ〜っ!」
食事を終え、席を立った三人は、突如聞こえてきた声に即座に反応し店の入口を見た。
「ヴェイン」
「あいよランちゃん!」
それだけ言葉を交わし、ヴェインとランスロットが駆ける。サフィアも後に続き、だがその光景に目を瞬かせた。
「だあっ!」
ランスロットとヴェインの前に躍り出た小さな影。その二つの影は見事な連携で食い逃げ犯を地に伏せたのだった。わっと湧き上がる歓声。食い逃げ犯は少年を睨み声を上げた。
「く…くそっ!なんだこの汚ねぇクソガキ共は!」
「なんだと、テメェ!」
「そこまでだ。もう勝負はついている」
拳を振り下ろそうとした黒髪の少年をランスロットが制する。
「ヒュ〜!元気いいな少年達!後は俺達に任せてくれ!」
「…アンタらはどちら様?」
はつらつと声を上げるヴェインに、黒髪の少年は怪訝そうな目を向けた。その様子にサフィアは小首を傾げる。
(王都の人達全員が全員、二人を知ってるとは言わないけど…もしかして王都外から来たのかな)
サフィアの様子を僅かにチラと確認した後、ランスロットは薄く笑みを浮かべて答えた。
「この店の常連だよ。怪我は無かったか?」
「うん、大丈夫」
食い逃げ犯に足払いをかけて転けさせた金髪の少年が頷く。ならよかったとランスロットも頷き返した。
「しっかしさっきの連携、二人とも若いのにやるねぇ〜!」
「ちょっと、私達もまだ若いでしょう?」
ヴェインとサフィアは同い年だ。その言い方ではなんだか余計に歳をとった気分になって些か癪に触る。
「でも実際10くらいは違うだろうし、俺らよりは若いだろ?」
「そうだけどー」
むう、とどこか納得できない様子のサフィアを見た後、黒髪の少年はぶっきらぼうに言った。
「まぁ…別にこれくらいフツーだろ」
「あぁ!なんたって俺達、騎士になるんだからな!」
続けて勢いよく発せられた金髪の少年の言葉に、三人の動きがピタリと止まる。そしてランスロットは、一変真剣な表情になり、彼らに問いかけた。
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