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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第18章 【FTEP】気高き白竜と聖なる御心


御前試合が終わりを迎えようとしていた頃、ふと誰かが声を上げた。
「単純な興味ではあるんだが…シャルロッテ団長とランスロット団長は、どちらがお強いのだろうか?」
「うん?」
「むう?」
突然の言葉に両団長は首を傾げる。しかし彼らの心境とは裏腹に、確かに、と騎士団員達は盛り上がり、ついには自分達の団長の方が強いと言い合いを始める。ランスロットとシャルロッテが止めようと声を上げたが、彼らの興奮は冷めやらず、口論は続く。
「これ…収拾つかないわね…」
「うーん、困ったな…」
サフィアもやれやれと呆れて眺めるしかない。ランスロットは本当に困った様子で眉を寄せ、シャルロッテは「まったく…!」と声を上げた。そして二人は決断する。
「仕方ない。シャルロッテ団長殿、ここはにとつ…」
「そうでありますね…」
「え、二人とも…」
まさかやるの?と問う目のサフィアに、二人は小さく笑ってみせた。そして武器をとると、そろって立ち上がった。途端、湧き上がる大歓声。興奮した騎士団員達の雄叫びが闘技場内に響き渡った。思わず手で耳を塞ぎながら二人が闘技場の中央へ歩くのを見送る。
(まぁ…この二人ならうまくやるか…)
こうして、騎士団員達が見守る中、団長同士の一騎討ちが始まった。








両者一歩も引かず、目にも留まらぬ速さで剣戟が打ち鳴らされている。小柄なハーヴィンの素早さを生かしたシャルロッテと素早い身のこなしで双剣を操るランスロット。ふたりの実力は拮抗しており、互いに譲らぬ真剣勝負は一向に決着がつく気配がない。
(でも、これって…)
ふと違和感を覚えるサフィア。だがすぐに、あぁなるほどと納得した。そして、誰もが固唾を飲んで見守る中、静かに響く柔らかな声。
「シャルロッテ団長。もうよろしいのではありませんか?」
「ランスロットもだ。いつまで続ける気かの?」
二人の王に言われ、シャルロッテとランスロットがぴたりと動きを止める。え?と多くの声が重なった。構えをとき、カール王に向き直るランスロット。
「やはり、陛下には御見通しでしたか」
「猊下の目は、誤魔化せないのであります」
シャルロッテもまた剣を下ろした。悪戯を注意されたかのような二人の素振りに団員達は混乱していた。
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