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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第15章 【氷炎牆に鬩ぐ】氷炎牆に鬩ぐ


「だが…なぜ気づけたのだ?まさかお前…予知能力でも隠していたのか!」
「はっはっはっはっ!お前は冗談が上手くなったな、パーシヴァル」
「いや今の絶対素でボケた」
パーシヴァルの天然発言に思わず入れたサフィアのツッコミは、幸い誰にもきこえなかった。ジークフリートは、今までウェールズ家を調査してきた情報を元に、起こりうる最悪の未来を推測したのだという。後は本当に、アグロヴァルだけになったということだ。
「まだだ…我にはこの幽世の鍵が残っている…。既に準備は整った…。竜脈よりすべての魔力を集め、今、幽世の鍵を孵化させようぞ!」
「チッ…まだアレが残っていたか!」
「ジークフリートさん、あの幽世の鍵が孵化すれば、この世界が大変なことに!」
「早く止めないと!!」
声を上げるが時はすでに遅し。
「もう手遅れだ…すべての魔法陣を起動して…全竜脈から、最大限の魔力を注ぎ込んでやる!」
アグロヴァルの掛け声と共に、四方から膨大な力が流れ込む。幽世の鍵の下に描かれた魔法陣に光が宿り、凄まじい力が渦巻き始めた。
「開け!幽世の門よ!」
辺りが眩い光に包まれた瞬間。突然、パツッと回線が切れた様に魔法陣の力が消失した。
「なっ!?何が起きた!力の貯蔵は充分だったはずだ!」
動揺に声を荒げるアグロヴァル。一行も目を瞬かせていたが、その中冷静な声が響いた。
「悪いな、アグロヴァル。ウェールズ家の者が各地で不穏な動きをしていることには、すでに勘付いていた」
ジークフリートが淡々と語る。
「何やら怪しげな魔法陣を見かけたのでな。ここへ向かう道中にいくつか壊させてもらった」
ジークフリートの言葉をきき、ランスロットが「え」と声をもらす。
「あ…ということは、助かったのか…俺達」
「ああ…もはや呆れて理由を聞く気にもなれんが、そこの化け物のお蔭の様だな」
「化け…もうここまで来たら否定できないわね…」
「わはははは!わけわかんねぇけど!やっぱり最後に決めてくれるのはジークフリートさんだぜ!」
一行に喜びの声が上が。だが、これで本当に終わった訳では無い。
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