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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第15章 【氷炎牆に鬩ぐ】氷炎牆に鬩ぐ


確かに、これ以上は対話を続けても無駄だろう。言葉での説得は無理だということだ。ランスロットが、小声で皆に話しかける。
「グラン、パーシヴァル、ヴェイン、サフィア…アグロヴァルの他に、敵の姿は見えない…。妙な動きをされる前に勝負を決めたい…行けるか?」
グランは静かに頷いた。
「合図があれば…いつでも行けるぜ!」
「うん」
ヴェインとサフィアもまた、団長の言葉に是と頷く。そしてパーシヴァルも、覚悟を決めて「あぁ」と答えた。その時だった。
「くっ…くははははは…あははははは…」
突如、アグロヴァルが高笑いを上げた。
「何が可笑しい」
何事だ、と警戒しながらランスロットが言う。アグロヴァルは嗤い続けたまま、ランスロットの問いに答えた。
「くっくく…既に勝った気でいる貴様らを見ていると、滑稽でな。笑いが止まらん…くははっ…」
「…貴殿のウェールズ軍は我が白竜騎士団に敗北し、既にほとんどが散り散りだ。今ならこの争いは、最小限の被害で終結する。これ以上の抵抗は無益だ」
あくまで冷静に言うランスロットに、ヴェインも言葉を続ける。
「そうそう!後はアンタが大人しく捕まれば解決ってこと!」
「兄上…この者達は、信頼に足る人物であると俺が保証します」
「貴殿の身の安全は必ず保証する。さぁ、武器を捨てて、大人しく降伏しろ…」
降伏を促す言葉にも、アグロヴァルは笑ってみせた。そしてしまいには、「貴様らの王の心配をしたらどうだ」と。
「なに?どういう意味だ」
僅かに動揺を見せ、ランスロットが問う。
「今頃フェードラッヘは、戦火に包まれているだろうよ…」
「はぁ?負け惜しみか?なんで王都が戦火に包まれなきゃならないんだよ?」
怪訝そうにヴェインは眉を寄せる。
「なぁに…至極簡単な話だ。我がウェールズ家と同盟国にあるダルモア公国が…この隙に、王都を攻める手筈となっているのだからな」
「なんだと!?」
アグロヴァルの発言に一同は動揺する。
「そんな馬鹿な話…っ」
「…残念ながら…苦し紛れの嘘だとは思えん」
「最初から、そこまで根回ししていたってことね…!」

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