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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第14章 【氷炎牆に鬩ぐ】開戦


行軍を続けていると、索敵にあたっていた騎士がランスロットの元へ報告に訪れた。
「ランスロット団長!報告いたします!前方に敵影を発見…。このままの速度で進軍すれば、数分後に戦端が開かれます!」
「報告ご苦労だった」
冷静に言葉を返すと、ランスロットは自分に続く騎士達にきこえるよう声を張り上げた。
「皆の者!このまま遭遇戦に突入する!気を引き締めろ!」
「おーい、みんな!命がヤバくなったら…後は俺達に任せて逃げろよ!」
「怪我をしたら無理せずすぐに言う事!良いわね?」
ヴェイン、サフィアが続けて声を上げる。そしてさらに、ヴェインは続けた。
「生きてまた…必ず王都で再会すると約束しろ!」
三人の言葉に白竜騎士団は士気を高める。そして報告通り数分もすれば、王都に向かって進軍してきていたウェールズ軍と遭遇し、戦闘が開始された。









剣戟が各地で鳴り響く。戦況を見ながらヴェインとランスロットが騎士達に指示を出していた。その様子を見ながら、サフィアは戦場の真っただ中で負傷した者の治療にあたっていた。
「すみません、サフィアさん…」
「謝るなって、何度言えばわかるの」
「す、すみ…いえ…ありがとうございます」
「よろしい」
これでよし、と仕上げをした、その時だった。
「サフィアさん後ろ!!」
張り上げられた声に即座に反応し、半身を捻った。響ひ渡る銃声の後、サフィアの背後に迫っていたウェールズ兵がぐらりと倒れる。ふう、と一息ついてサフィアは目の前の騎士に向き直った。
「ありがとう、助かったわ」
「い、いえ!」
「もう大丈夫ね?よし、気合入れ直すわよ!」
「はい!」
言って二人は立ち上がる。騎士は持ち場に戻り、サフィアはその場を中心に立ち回る。だが不意に、少し離れたところに〝それ〟が見えて、軽く目を瞠った。
「まぁたあの二人はあんな無茶を…!」
言葉にした直後、ヴェインの得物に乗ったランスロットが敵陣に飛んで行った。くるりと上空で体制を整える様はまるで舞っているかのよう。そのままランスロットは、冷気を纏わせた双剣で奇襲をかけた。思いもよらぬ急襲に敵の前線部隊は崩壊する。そのままヴェインが、騎士達が、団長の後に続いた。やれやれと肩をすくめ、サフィアもまた前へと突き進むのだった。
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