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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第14章 【氷炎牆に鬩ぐ】開戦


「一刻も早く、その幽世の鍵とやらの起動を止めねばな…」
ウェールズへの行軍の最中、ランスロットが神妙な面持ちで呟いた。
「それが起動すると、幽世の門が開いて、大変な事になるんだろう?」
「ああ…空を覆うほどの、幽世の軍勢が現れるそうだ」
「…イザベラが喚んだあんなモノが空いっぱいになんて、冗談じゃないわ」
パーシヴァルの言葉にサフィアが顔をしかめる。
「聞いた話から想像するに、その鍵にエネルギー源を供給する竜脈を断てばいいのか?」
「なんだ!じゃあそこをぶっ潰せば、」
「おそらくあの口ぶりからすると、竜脈を突き止めている時間はない」
ヴェインの嬉々とした声を遮り、パーシヴァルが静かに言い放つ。
「それよりも…兄上を捕らえて、幽世の鍵の起動を止めさせる方が現実的だ」
「ああ…それならまだ可能性がある」
「よーし!んじゃとにかくパーさんの兄ちゃんを捕まえればいんだな!」
あくまで冷静に話し合うランスロットとパーシヴァルに、気合を入れるヴェイン。
「おい…駄犬の分際で兄上に敵うはずがないだろう。お前は後ろに下がっていろ」
「おいおいおーいっ!パーさんなりの優しさとはいえ、どっちの味方なんだよその発言!」
やれやれというやりとりが目の前で広げられている。彼らの知れぬ傍で、サフィアはぽつりと呟いた。
「お兄さんを捕まえる、か」
「サフィア?」
独り言だったのだが拾われて、サフィアはぱっと声を掛けられた方を見た。ランスロットが心配そうに彼女の顔を見ていた。サフィアは少しバツが悪そうに視線を落とし、言った。
「口には簡単に出して言うけど、実の家族を捕まえる、って事実は、辛くないはずないだろうから」
「そうだな…」
ランスロットとサフィアは、未だ他愛の無い言い合いをしてグラン達におさえられるパーシヴァル達の様子を少しの間見つめていた。

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