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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第13章 【氷炎牆に鬩ぐ】決死の撤退


その騎士達の様子を、王の即断即決を、パーシヴァルとグラン達は驚愕の表情で見つめる。
「なんか意外というか…」
「はい…いつものほんわかした感じとは違いました…」
ビィとルリアの思わずこぼれた言葉に、カール王は小さく笑った。
「なぁーに。ワシも弟じゃったからな。弟の気持ちは良くわかる…。だが…ワシはとうとう、兄弟喧嘩のひとつもできなかった」
少し寂しそうに、切なそうに語るカール王。彼はパーシヴァルに目を向け、力強く言い放った。
「パーシヴァル…お前が長兄を止めろ!思いきり兄弟喧嘩をしてくるがいい」
「陛下…恩に着ます」
彼は心より感謝の気持ちを込めて、王に礼を向けた。












フェードラッヘの白竜騎士団は、ウェールズに向かって進軍を開始する。ランスロットとヴェインが白竜騎士団員達の前に並び立ち、その後ろにサフィアが控え立った。
「これは侵略戦争では無い。騎士道にもとる略奪行為を行った者には、規則に則り厳しい処罰を与える。我々の目的は、ウェールズ家当主、アグロヴァルの身柄の拘束だ」
スッとランスロットが息を吸いこむ。次の言葉を待ち、騎士団の皆が姿勢を正した。
「誇り高き竜の騎士よ!ウェールズに向かって、いざ進めぇ!」
ランスロットの呼びかけに応え、騎士達が竜の咆哮を上げて進んで行く。続けてヴェインが、自分達の隊に向けて言葉を掛けた。
「よーしお前達!今こそ特訓の成果を見せる時だ!終わったら…ウマい飯とウマい酒をご馳走してやるからな!」
途端、明るい声が上がる。進んで行く皆の後ろ姿、大きく息を吸いこんで、サフィアは激励を掛けた。
「治せる怪我には限度がある!無茶無謀せず戦い抜け!」
後ろからの咆哮に応えるように湧き上がる声。よし、と気合を入れ直し、前を行く騎士団の隊列に加わるのだった。
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