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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第13章 【氷炎牆に鬩ぐ】決死の撤退


パーシヴァルが王都を発って数日後。玉座の間では、ヴェインがカール王の御前で落ち着きなく歩き回っていた。
「おいヴェイン…陛下の前でウロウロと…少しは落ち着け」
ヴェインの様子にランスロットが咎めの言葉を向けるが、本人からは「えー」と不服の声が漏らされる。
「そんなん言ったらランちゃんだってさっきからずっと外を気にしてそわそわしてるじゃん?」
「お、俺はそわそわなどしていない」
(どっちもどっち…)
ヴェインもランスロットもそわそわ落ち着いていないのは事実だ。かくいうサフィアもその自覚がある。そんな三人を見かねて、カール王が口を開いた。
「お主達…そこまで気がかりならば、ウェールズまで偵察に行って参れ」
「なりませぬ!その様な私情で一国の騎士団が動くなど…」
王の発言にぎょっとしたランスロットが即座に否を唱えた。
「じゃあ俺の隊だけでちょろっと行ってくるのは?」
「ダメに決まっているだろう!」
「ちぇー、やっぱダメだよなぁー」
ヴェインはノリ気だったが、これはランスロットに斬り伏せられる。
「こういう時は、役職がもどかしいよなぁー」
「それなら私が、」
挙手して自分が行く事を示そうとしたその時、玉座の間の扉が開いて衛兵が駆け込んできた。
「た、ただ今、パーシヴァル様とグラン御一行様が王都に戻られ、こちらに向かっているようです!」
「本当か!?」
「行かなくて大丈夫そうね。後は戻りを待ちましょう」
衛兵の言葉に、一同は安堵の息をついたのだった。

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