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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第12章 【氷炎牆に鬩ぐ】戦乱の足音


パーシヴァルが旅の準備を整えて王都を出立するまでに、彼が練兵場を訪れて訓練をつけてくれたり、一度は断られた部下の結婚記念日のお祝いをヴェインが再押しすることで参加してくれたりとあった。
「あっ、パーシヴァル!よかった、間に合って」
城を出た直後に声をかけられ、彼は振り向いた。パーシヴァルは駆けてくるサフィアの到着を待ち、どうしたと声をかける。
「これ、持って行って」
ずいと渡されたのはひとつのポーチ。
「よく使う傷薬とか、応急手当の道具とか、いろいろ入ってるから」
「そうか…わざわざすまん」
「謝られるような事してないわよ」
「…あぁ、そうだな。ありがとう」
言うとサフィアは満足そうに「どういたしまして」と笑顔で答えた。だがすぐに、少し眉を寄せて心配そうな表情をする。
「気を付けてね…」
「あぁ、案ずるな」
ぽんと頭に手を置かれ、サフィアは目を瞬かせた。じわじわとその事実が染み込んできて、段々とその目はじとりと沈んで行く。
「…子どもじゃないんですけど?」
「あぁ、そうだったな」
対して気にしていない様子でパーシヴァルは小さく笑い、身を翻して歩いて行く。その背を、やれやれといった様子で見送ったサフィアであった。
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