• テキストサイズ

蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第12章 【氷炎牆に鬩ぐ】戦乱の足音


「ははは。パーさんって意外と心配性なとこあるよな~」
「パーシヴァルって案外面倒見いいしね」
ヴェインとサフィアの言葉にパーシヴァルは苦虫を潰したような表情になる。そんなやりとりにも慣れて、皆どこか見守るように笑っていた。
「で…パーシヴァル、お前はどうする?」
そこへ、話を戻すランスロットの真剣な問いかけ。パーシヴァルは一度「俺は…」と返答を口ごもった。
「…心配なんだろう?ウェールズ家の事が」
今回は、パーシヴァルの生家であるウェールズ家との問題だ。生家が他国を侵略したり、他国を脅かしていたり、またここフェードラッヘへも侵攻しようとしているのだ。
「ランスロット…だが…」
「お前は…俺達に…王都に縛られることは無い…」
答えを決めあぐねているパーシヴァルにかけるランスロットの声は、驚くほど穏やかで、優しい色をしていた。
「だから、自分の思った通りに動けばいいんだ。違うか?」
「…あぁ、そうだ。騎士団を離れた俺は、今やウェールズ家の者だ」
決断への道を開くように、その事実を言葉にするパーシヴァル。
「俺達は、お前の事を信じてる。だから、変な気を遣っていないで、さっさと行って来いよ」
パーシヴァルはさっと一同を見た。皆、うんうんと頷くようにパーシヴァルを見て、彼の答えを待っている。パーシヴァルはふっと笑うと一度目を伏せ、言った。
「恩に着る。俺が、兄上と話をつけてくる。だから、それまで…」
「わかってるって!それまでこちらから戦争を仕掛ける事は絶対にない」
「ああ!ランちゃんの言うとおりだぜ!」
「私達は戦争がしたいわけじゃないもの」
ヴェインとサフィアが同意するように頷く。それを受けとり、パーシヴァルは真っ直ぐに前を見据えた。
「では…旅の準備を整え次第、俺はウェールズに発つ。皆の者、異論は無いな?」
「ふっ…お前達が決めた事だ。後は全力を尽くせ」
「当然だ」
ジークフリートの激励にもいつもの強気の表情で応えた。
「よっしゃー!腹が減ってはなんとやら!ひとまず飯の準備をするぜ!」
盛り上げるように声を上げたヴェインに笑い声が上がる。
「いいぞヴェイン!ちょうど腹は減っていた所だ!」
「ヴェイン、私も手伝うわ!」
「では、解散!」
こうして、長い作戦会議は終わった。だが解散とは言ったものの、一同は揃ってヴェインとサフィアの食事を堪能したのであった。
/ 138ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp