• テキストサイズ

蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第2章 【救国の忠騎士】暗躍する黒い影


大分進んで行くと、地下だというのに光が漏れている壁があった。ランスロットがその壁を調べると、壁が僅かに動き、回転式の扉になっている事がわかった。
「奥に続く隠し扉、って事ね」
「みんな、気をつけろよ。この先に何が待ち構えているかわからないからな…」
ランスロットの言葉に皆が頷く。緊張感が漂う中、ランスロットがゆっくりと、その扉を動かした。
扉の向こうには、両側に広がる無数の鉄格子と、薄暗い空間が広がっていた。
「ここは…なんだ?恐らく、王都の地下あたりかとは思うが…」
「王都の地下にこんな所があるなんて…え、ねぇ…ここ…牢屋…?」
サフィアの言う通り、どうやらこの鉄格子は牢屋のようだった。
「入口の錠が壊されていますね。中のテーブルには…食べ残しのパンくずと…食器?それに、人一人が寝られる簡易ベッド…ここで誰かが生活していた形跡があります」
ソフィアの冷静な分析により、この場の現状を把握する。その時、牢屋の外を調査していたヴェインが声を上げた。
「おい!こっちに来てくれ!人が倒れてる!」
一行は反射的に反応し、ヴェインの声の方へ向かった。ヴェインの腕に抱えられた男性は、何があったと声を掛けられると声を絞り出す。
「う…男が…急に…ううっ」
だがすぐに意識を失ってしまい、続きを聞く事はできなかった。よく男の容姿を見てみれば、それは白竜騎士団の鎧だった。一体何が起きているのか。ここに誰がいて、何があって、なぜ、団長の知らぬ場所に、白竜騎士団の団員がいるのか。わからない事ばかりだった。
「ん?いま奥で何か動かなかったか!」
「誰だ!?」
ヴェインとランスロットの声に、またびくりとそれが動く。
「ひっ!お、追ってですぞ!」
それは老翁だった。彼が声を上げると、カシャリ、と鉄の音が鳴る。地下室の一隅を占めていた大きな闇が、ゆっくりとランスロットらの方へ向かって来た。
/ 138ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp