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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第12章 【氷炎牆に鬩ぐ】戦乱の足音


王都フェードラッヘ。
亡国の危機を乗り越えてからそう日も経たないある日の事だった。白竜騎士団団長ランスロットによって、先の騒乱をおさめたヴェイン、サフィア、ジークフリート、パーシヴァル、グラン一行が招集され、グリーフィングが開始された。あの後、騎士団の団員を動員してイザベラとガレスの大がかりな捜索が行われたが、見つからず、二人は消息不明となった。彼女達から情報を引き出すのは、現時点では行う事ができないということである。
「…では、ここからはジークフリートさんが知り得た情報を我々に共有していただけますか?」
独自にウェールズ家について調査していたジークフリートが頷く。
「ふむ…俺が調査したかぎりでは、ウェールズ家はよからぬ禁術や間者を駆使して周辺諸国を脅かしている…。いずれこの王都を奪いに来るのは時間の問題菜だろうな…」
彼はそこで一度切り、かつての教え子、部下達や仲間達を見渡して「さて」と続けた。
「息つく暇も無く訪れた危機。お前達なら、どうする?」
その顔には何故か微笑みすら浮かんでいる。どこか試すような物言いに、各々が意見を述べた。
「…では、俺とヴェイン、サフィアは王都に残り、開戦に向けて軍備を整えておく」
「おっけー、ランちゃん!よーし、忙しくなるぞぉ~!」
「怪我はしないにこしたことはないけど、万全の準備をしておかないとね」
言われた二人はランスロットに向けてしっかりと頷き、彼もそれを受け取って頷き返した。
「俺は、所用があるのでな。悪いが、しばらく王都を離れる」
「わかりました。では、留守は俺達に任せてください」
ジークフリートの言葉に、こちらも頷いて返す。だがパーシヴァルは不服そうに「おい」と声を発した。
「ジークフリート、せめてどこに行くかぐらい、俺達には共有しておけ」
身内の行動がわからなければ決められない策もある。そう思っての発言だったが、ジークフリートは苦笑を漏らした。
「ふっ…お前は俺の保護者か?」
「なっ!?」
その言葉にパーシヴァルが動揺の声を上げる。だがすぐにジークフリートが言葉を返した。
「冗談だ。お前達を信用していない訳では無いんだが…出来るだけ、秘密にしておきたくてな…。ダメか?」
「…もういい。勝手にしろ」
言い返す気力も失くしたのか、パーシヴァルは溜息混じりに吐いた。
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