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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第8章 【亡国の四騎士】其々の思惑


翌朝、一行は村の入り口に集合した。だが、そこにパーシヴァルの姿は無い。
「パーシヴァルのやつ、どこに行っちまったんだ?」
「さぁな…俺達を見捨ててどっか行っちまったんじゃねぇのか?」
ビィの疑問にヴェインが半ば投げやりに答える。ルリアは悲しそうに眉を寄せた。
「でも…パーシヴァルさんは、そんな人じゃないと思います」
「まぁ…俺もカッとなって少し言い過ぎちまったけどよ…」
ヴェインの表情にも後悔の色が現れた、その時だった。
「遅いぞ。俺を待たせるとは何事だ」
「うわっ!」
突如、ここにいないと思っていた人物の声が上がり、飛び上がるように驚くヴェイン。声がした方を見れば、そこにはパーシヴァルの姿があった。
「パーシヴァル!お前…」
「…ガレスの痣の件が気がかりなのでな」
「ありがとう…パーシヴァル」
あくまで別件だと言いたそうな言葉だが、ランスロットは意を汲んで礼を告げた。グラン達もサフィアも、パーシヴァルが来てくれた喜びの笑みを浮かべる。
「ありがとう、パーシヴァル」
「ふん…王たる俺が、家臣共を見捨てる訳がなかろう」
「素直じゃな、」
「んなっ!?いつ俺が家臣なんかになったんだよ!」
サフィアが呟こうとした言葉を遮ってヴェインが驚愕の声を上げる。だがパーシヴァルはいつものように、当然だと言うような声色で答えた。
「貴様は未熟者だからな。むしろ感謝してほしいくらいだ」
「んだとぉー!」
「おまけに頭も弱いときては、救いようがない」
昨日のように始まった言い合いの中に、サフィアは昨日とは違うものを確かに感じていた。
「ムキーッ!あったまきたぁ!今すぐここで勝負しやがれ!」
「構わん。一瞬で終わらせてやろう。貴様がのこのこついてきて、敵陣で捕虜になっても困るからな」
「あはは…冷たいんだか優しいんだか…」
ついにはルリアすら呆れる始末だ。
「まぁまぁ二人とも!そう言わず仲良くいこうぜ!」
「やーだね!」
「断る」
ほぼ同時の返答に、ヴェインとパーシヴァルが顔を合わせて睨み合う。その中で不意にわき上がる声があった。

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