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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第8章 【亡国の四騎士】其々の思惑


「俺は、王都にいる仲間も、ここにいる仲間も、どちらも失いたくない…」
「ここで仲間割れしたって仕方ないでしょう…?」
「…少し頭を冷やせ…」
そう言い、パーシヴァルは家の外へと出て行った。その後ろ姿を見送り、ランスロットが呟く。
「また、皆に迷惑をかけてしまったな…」
「いや…ランちゃんは何も…」
「今は、少し休息を取った方がいい…」
ヴェインの言葉を遮るようにランスロットが言葉を発する。それにサフィアは頷いた。
「うん。今は休んで。ランスロットも、ヴェインも、皆も」
「うん、そうさせてもらうよ。行こう、ビィ、ルリア」
サフィアの言葉にいちはやく頷いたのはグランだった。彼はビィとルリアを連れて、自分達があてがわれた部屋へと戻って行く。ヴェインもしばらくランスロットを見つめた後、部屋を出て行った。それを確認し、ランスロットがぼすっとベッドへ倒れこむ。腕で顔を隠し、彼は呟いた。
「はぁ……ダメだな、俺は…」
「…誰の言う事も間違ってはいないもの。ただ、どれを冷静に選びとるかが大事なだけ」
「そのだけ、が難しいんだよな…」
再びの溜息。サフィアは彼の身体に布団をかけ直し、優しく声を掛けた。
「とにかく、ランスロットも今はゆっくり休んで。パーシヴァルの言う通り、今のままじゃ王都に戻っても、また撤退する事になりかねないわ」
「…あぁ……すまない…サフィア…」
うつらうつらと声が消えゆく。身体と脳はやはり疲労を訴え、あっという間に睡魔に取り込まれた。寝息を立て始めたランスロットの腕を布団の中へ戻し、サフィアはベッド脇からその寝顔を見つめる。
「…もっと力になれたらなぁ…」
そばにいることしかできない自分に歯がゆさを感じるサフィアであった。

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