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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第8章 【亡国の四騎士】其々の思惑


「…俺が王都へ行く」
「ランちゃん…でも、もう少し休んでからの方が…」
「そうよ、倒れたばかりなんだから。医療騎士として、団長とはいえ、ううん、団長だからこそ、許可するわけにはいきません」
「だがこうしている間にも、陛下や仲間達が!」
ヴェインとサフィアの言葉に焦りの声で返すランスロット。彼の様子を見て、パーシヴァルが溜息をついた。
「…待て、少し落ち着け。お前は同じ事を何度言わせる?冷静さを欠いた様では、拾った命をみすみす捨てるだけだ」
「おいおい…何でお前はそんな言い方しか出来ないんだよ?」
冷静かつ冷徹に言葉を放つパーシヴァルにヴェインが眉をひそめる。だが彼の言っていることは事実に他ならない。
「ふん。生まれつきだ。まぁ、貴様が死ぬのは勝手だ。どこへでも尻尾を振ってついて行くがいい」
「パーシヴァル!」
この言い方にはさすがにサフィアも声を荒げる。だがパーシヴァルは気にした様子は無い。パーシヴァルの言葉に血相を変えたヴェインが、怒りを露わにしながら声を絞り出した。
「…ああ、そうだな!騎士団を見捨てたお前には…わかんねーよ」
「何だと?貴様、もう一度言ってみろ」
空気がざわりとざわつく。白竜騎士団副団長と元黒竜騎士団副団長の気迫がピリピリと伝わってくる。
「へっ、何度でも言ってやるよ!お前みたいな薄情者には…ランちゃんの気持ちは一生わかんねーよ!」
「くだらん戯言だ…。いつから騎士団は仲良しごっこになったのだ?無知蒙昧な将の下では、助かる命も助からん…。貴様の下につく部下は、さぞかし苦労しているだろうな」
「んだとぉ!!」
「もうやめてくれ!!」
「もうやめてよ!!」
ヴェインとパーシヴァルの言い合いの中、耐えきれなくなったランスロットとサフィアが悲痛の声を上げた。
「ランちゃん…」
「二人とも…やめてくれ…」
ランスロットとサフィアの表情は悲しげに歪んでいた。ヴェインもパーシヴァルもその様子に沈黙する。
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