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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第8章 【亡国の四騎士】其々の思惑


不気味で謎の魔物をなんとか倒した直後。
「う…」
ふらりとその身体が揺れ、床に崩れ落ちた。
「ランスロット!」
急ぎサフィアが駆け寄る。呼吸は安定しているが、身体的にも精神的にも限界のはずだ。急ぎ安心できる場所で休ませ、もっときちんと治療しなくては。
「ランちゃん、俺が運んで、」
「俺が背負おう」
ヴェインがランスロットを背負おうとした時、それをパーシヴァルが制してランスロットの腕を掴む。へ、とヴェインがパーシヴァルを見た。
「お前は道案内と、前方から来る魔物に集中しろ」
「パーシヴァル…おう、任せとけ!ランちゃんは頼んだぜ!」
「あぁ。グラン、この度の殿はお前に任せる」
「うん、任せて」
グランが頷くのを確認するとパーシヴァルも頷き返し、ランスロットを背負って立ち上がる。
「行くぞ」
あの魔物は一体何だったのか。疑問は尽きないが、ここで悩んでいる暇は無い。一行は急ぎ王都を脱し、ヴェインが提案した近くの村、彼の祖母の家に避難した。






ベッドにランスロットを寝かせ、サフィアは治療を開始した。応急処置ではしきれなかった箇所まで細かに行なっていく。治療を終えて水と薬を飲ませた頃には、少しは顔色が良くなっていた。
「ランスロット…気づけなくてごめんね…」
口では大丈夫と言いながら無理をしていたのだろう。サフィアはさらりとその黒髪を撫で、その寝顔を見守った。






しばらくすると、小さな呻き声と共にランスロットが目を覚ました。
「ランちゃん!」
「ランスロット…」
「ヴェイン…サフィア…俺は…」
「あ〜良かったぁ〜!あの後、ランちゃん急にぶっ倒れて、みんなでスゲー心配したんだぜ!」
ヴェインの答えにうんうんと頷くサフィア。その目尻には僅かに雫が滲んでいる。
「そうか…すまない、心配かけて」
ランスロットは小さく笑みを浮かべて彼女の頭を優しく撫でた。
「ランスロット。俺達が倒した化け物を覚えているか?」
ほっと息をつくのも束の間、パーシヴァルが話を進めるように切り出す。
「ああ…あれは一体何だったんだ。見たことも無い、異形の者だったが…」
「あの時、地下通路に現れた印は、ガレスの痣と酷似していた」
「何だって!?てことは…」
「あの魔物もイザベラが仕掛けてきた、ってことよね…」
結論が出て、ランスロットの表情が険しいものとなる。
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