• テキストサイズ

蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第2章 【救国の忠騎士】暗躍する黒い影


駆けるジークフリートをランスロットは追い続ける。完全に見失わないように遠くに彼らを確認しながら、サフィア達も必死に走っていた。
「ランスロットのヤツ、ジークフリートの事となると、途端に周りが見えなくなるぜ」
小さな羽を必死に羽ばたかせながら、ビィが呆れの色混じりに言う。
「そりゃあ……ジークフリートはランちゃんに武術のすべてを教え込んだ、いわば師匠だからな」
「なんだって!?そうなのか?」
「憧れていた師匠が、国の英雄が、王を、国を裏切り狂人と化した。許せないのさ。ランちゃんは特にな」
「…そうね」
自らも稽古をつけてもらった事があるサフィアも小さく肯定の呟きを漏らした。
「黒竜騎士団団長のジークフリート、副団長のランスロットといやあ、誰もが憧れる最強の二人だった…。口下手な団長の考えを上手く代弁するムードメーカがランスロットで。なんつーか、本当にいいコンビだったよ」
以前の事を思い出して、サフィアは眉をひそませた。
「ランスロットもね、前はもっと明るかったの。皆に冗談言ったりとか…もっと、笑ってた。でも今は…ほとんど笑わなくなっちゃった」
「あぁ…。国王殺害事件の夜に、全ては終わっちまった。団長のジークフリートが逃亡する際に仲間の騎士を傷つけて姿をくらまし、黒竜騎士団は解散に追い込まれたんだ」
国王殺害に加え、大切に思っている仲間達への裏切りが、ランスロットを酷く傷つけた。だからこそジークフリートへの怒りは大きく、許す事ができないのだろうと、話を聞いたグラン達も胸を痛ませた。




やがて、ランスロット達が走り込んだという場所に抜けたのだが、そこに彼らの姿は無かった。
「あれ…?誰も…いないですね?」
「おいおい、ソフィアが道を間違えたんじゃないか?」
「し、失礼ですね!方向音痴のヴェインさんと一緒にしないでください!」
ソフィアが慌ててヴェインに言うが、彼は「はっはっはっ」と笑った。
「この俺が方向音痴だと!?俺はただ…道草が好きなだけだぁ!」
これを聞いて、同じく〝道案内〟の被害にあったグランがこっそりサフィアに耳打ちした。
「実際のところ、どうなの?」
「うん、紛うことなき方今音痴です」
「あぁ…そう…」
今度からヴェインに道案内を頼むのはやめようと思ったグランであった。
/ 138ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp