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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第6章 【亡国の四騎士】謀略の祝宴


王都に到着した一行は、玉座の間でカール王とガレスに出迎えられた。ガレスはイザベラ失脚から頭角を現し始めた若い騎士だ。今はランスロットの補佐をしているのだという。
「白竜騎士団副団長のヴェイン、ただ今戦地より帰還しました!」
「同じく、白竜騎士団医療騎士のサフィア、帰還しました」
二人が姿勢を正して発すると、カール王は「良くぞ無事に戻って来てくれた」と二人の帰還を喜んだ。
「…ヴェイン殿、お連れの方々は?」
グラン達に目を向けたガレスが問いかける。ヴェインはグラン達を「怪しいもんじゃないから大丈夫!」と説明する。戸惑うガレスだったが、カール王がグラン達に気づきその喜びの様子を見ると、その後は何も言わなかった。
「ん…して、お主は…パーシヴァルか!」
パーシヴァルの姿に気づいたカール王が声を上げる。パーシヴァルは少しばかりの沈黙の後、前に進み出て優雅な身のこなし礼節を弁えた挨拶を交わした。カール王はまるで何事も無かったかのように、柔和な笑みを浮かべる。
(ん…?)
何か、引っかかった。元黒竜騎士団副団長が戻ったのだから、さすがにもう少し何かあるかと思ったのだが。
(気のせいかな…陛下はもうあまり気にしてないのかしらね)
ジークフリートの件は誤解だったと解決している。パーシヴァルについても特に思うことは、もう無いのかもしれない。
「ではガレス…皆を宴の席へ案内してくれ」
「はっ…既に準備はできております」
カール王に言われて案内のために踵を返そうとするガレスを、ヴェインの声が引き止めた。
「おいおいおーい!ちょっと待てよガレス!」
猛然とガレスに掴みかかると食ってかかった。
「さっきからランちゃんがいないけど、ランちゃんはどうしたんだよ!?今日の主役みたいなもんだろ?ランちゃんは!」
確かにそれは気になっていた。準備をしているのかもしれないが、ヴェイン達の帰還をきいても現れないのは、どこかおかしい。
「…ん?おいガレス!なんか首元火傷してるけど大丈夫か?何か薬塗った方が…」
「は、はい!大丈夫です!」
ヴェインがガレスの首元を開かせた時に僅かに見えたが、何やら紋様にも見える火傷だった。
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