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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第5章 【亡国の四騎士】騎士の帰還


立ち塞がる魔物達を倒しながら森を進んで行く。一行は道すがら互いの近況報告を行った。
「へっへーん!聞いて驚くなよ!あれから俺も頑張って、とうとう白竜騎士団の副団長を任されたんだぜ!」
胸を張って言うヴェインにビィが「へぇ!」と声を上げる。
「ヴェインもやるじゃねぇか!」
「相当頑張ったものね、ヴェイン」
「おう!ありがとよ!いや〜、でもこうしてランちゃんのためにみんなが集まるなんて…やっぱしランちゃんは愛されてるよな〜!」
うんうんと嬉しそうに頷くヴェイン。そんな彼を見てサフィアも笑みを浮かべた。王都でランスロットの叙任式が行われることを説明すると、パーシヴァルが「ふん」と漏らす。
「俺はついでに寄っただけだ。なぁ、皆の者?」
パーシヴァルの有無を言わさぬ威圧感に、グラン達はこくこくと頷いた。その様子でサフィアは何かあるなと把握してしまう。
(何か口止めされてるわねぇ…パーシヴァル、素直じゃない人だし)
ついでと言うがもしかしたらしっかりと目的を持って王都に行くのかもしれない。ランスロットの叙任式か、或いは先の動乱の事か。
「そう言えば…ジークフリートさんはどうしてるんですか?」
不意にルリアが首を傾げながら問いかける。
「えっと、ジークフリートさんは何か用事があるとか言ってたなぁ。とにかく、みんなに会ったらランちゃんめちゃくちゃ喜ぶぜ〜」
上機嫌で話すヴェインだったが、その足取りにパーシヴァルもサフィアも足を止める。
「おい貴様。何処へ行くつもりだ?」
「へ…?」
「道はこっちだろうが」
パーシヴァルが示すのは、ヴェインの進行方向とは真逆の道。
「あ、あぁそうだった!つい話に夢中になっちまって!教えてくれてありがとな、パーシヴァル!」
あははと笑いながら彼らの方へ戻るヴェイン。サフィアはパーシヴァルがいてくれて良かったと、心底からほっと息をついた。
「よもや…道を間違えたわけではあるまいな?」
「わははは!そ、そんなわけあるかよ!なぁグラン!」
「あぁ、うん…」
ヴェインの威信の為と頷いたグランだったが、その様子は最早嘘が見え見えである。
「やれやれ…こんな奴が副団長とは、にわかに信じ難いな」
「そこは事実だから信じてあげて」
さすがにフォローを入れるサフィア。パーシヴァルは一息ついた後、「行くぞ」と言って王都への道を進むのだった。
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