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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第3章 【救国の忠騎士】救国の忠騎士


「シルフちゃん、落ち着いて!私達はシルフちゃんの友達だよ!だから、ちゃんと話を…」
そこへルリアの必死の弁解が入る。シルフはイザベラとルリアを比べ見て、表には出ていないが当惑しているように見える。
「ともだち…ルリア…イザベラ…私はどちらを信じれば…?」
「イザベラ、善悪のわからないシルフを利用するのはもうやめろ」
ジークフリートの諭す様な声に、イザベラは「はぁっ!?」と大声を上げる。
「どいつもこいつも真面目ぶりやがってよ!みんな霊薬で長生きしてーんだろ?私の言うことを聞いていれば好きなだけ生きられるんだ?あぁ?テメーはアルマが欲しくねぇのかよ?」
「別に。いらない」
イザベラの言葉をサフィアはすっぱりと否定する。「あぁ?!」とイザベラが声を上げるが、サフィアは構わず続けた。
「そりゃ病気が治るのは有り難いし嬉しいけど、でも、永遠の美だとか、永遠の命だとか、そんなものはいらないわ」
「テメーは老いて醜くなるのを知らねーからんなことが言えんだろぉが!」
サフィアはすかさず首を振る。そして、真っ直ぐにイザベラを見据えた。
「霊薬のせいで大切な人達と生きられないなら、そんな命はいらない」
「てんめぇぇぇ!!」
怒りにぶるぶると震えるイザベラ。彼女にジークフリートが再度言を上げる。
「…貴様の私利私欲のせいで罪の無い人々がカルマの犠牲になっている。もう観念しろ!イザベラ!」
「……もういい…星晶獣シルフ…」
イザベラは一気に静かになったかと思うと、シルフに向けて言葉を放つ。
「お前は何も考えず私の言う事だけ聞いていればいいんだよ!」
「イザベラの言う事だけ聞けばいいか?」
「シルフちゃん!」
すかさずルリアが声を上げるが、イザベラの言葉によってかき消されて届かない。長年シルフと意思疎通をはかってきたのはイザベラのみ。ともあれば、シルフの絶対的判断基準はイザベラになってしまうという事だ。
「可愛い顔してこいつも一丁前の星晶獣だからなぁ!せいぜい惨めにブッ殺されてろや!」
「イザベラの敵…国の繁栄を邪魔する敵か。じゃあ、倒さなければ」
シルフが静かに臨戦態勢に入る。彼女を取り巻く空気が徐々に変化しているのがわかった。
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