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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第28章 【ビストロ・フェードラッヘ】ビストロ再建計画、始動


見事ドラッヘントラウトを捕らえてビストロ・フェードラッヘに持ち帰ったヴェイン達。よし、とそれを見届けて、サフィアはパーシヴァル達の方に向かった。
「パーシヴァル、何を作るか決まったのか?」
「あぁ…。俺は、母上に教えてもらったパテ・ド・カンパーニュを作る」
「お母様の…」
どこか切なそうに遠い目をしながら語るパーシヴァル。幼い頃に死に別れた母との思い出の料理で、レシピを覚えるほど何度も作った、自信を持って出せる一品だという。パテは細かく刻んだ肉類に香草を混ぜて型にはめて焼いたものだが、ここで普通の肉を使っても意味が無い。
「どこかに、良質な肉質の獣がいる狩場を知らないか?」
「なるほど…獣の肉なら心当たりがある。ついてこい」
何の肉だろう。首を傾げるサフィアにジークフリートはただ薄く笑みを向けるだけ。ようやく料理のメニューが決まったパーシヴァルチームとグラン達は、ジークフリートの言う狩場へと向かうのだった。






辿り着いたのは、ジークフリートが昔よく野営をしていたという森。ここで何が狩れるのか、と問うパーシヴァルに、ジークフリートは「あいつだ」と一方向を示した。
「でっ…か…!!」
そこには巨大な猪の魔物が闊歩していた。
「あれは〝ドラッヘンボア〟と呼ばれる、この辺りに生息する猪の魔物だ。アイツの肉は絶品でな。きっとパテにも合うと思うぞ」
「へぇ…」
猪自体、そう口にすることは無い。どんな味なのだろうかと、魔物相手だというのに興味が湧いた。
パーシヴァルとグランがドラッヘンボアを挟み撃ちするというのでそれを見守る。大丈夫かなと内心はらはらしていた。
「まぁ大丈夫だろう」
対してジークフリートは穏やかに彼らを見守っている。だが、パーシヴァルの作戦は失敗に終わる。風上から風下へ追い立てようとしたパーシヴァルだったがグランが待機していた風下とは別の方向に逃げたのだ。そう、ジークフリートとサフィアの待機している場所へ。
「き、来ましたよ!?」
「問題ない。下がっていろ」
ジークフリートに言われるまま、数歩後ろに下がるサフィア。まるで殺気の無いまま悠然と構えるジークフリートの背中を、ごくりと生唾を飲んで見守った。そしてドラッヘンボアがジークフリートに襲いかかろうとしたその瞬間。
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