• テキストサイズ

蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第28章 【ビストロ・フェードラッヘ】ビストロ再建計画、始動


開店時間が幾許か過ぎた。しかし、一向にお客が来店する気配は無い。
「誰も…来ないな」
「大体いつもこんなもんですよ」
「いや〜、思った以上に来なくて驚いた」
思わず乾き笑いを漏らすランスロット。ランスロットと話をしているのは、先程出勤した際、欠伸を漏らしながら現れた給仕スタッフの青年だ。二人の会話をきいていると、危機感も、どうにかしようという思いも、スタッフからはまるで感じられない。
(うーん…大丈夫かなぁ)
最初に感じた不安がここにきてさらに膨れ上がる。さらに、帳簿を確認して店の状況などを把握していたパーシヴァルの表情は険しくなっていた。だがそこに絶望は無い。骨は折れるが諦めはしないということだ。サフィアは一つ息をつくと、厨房へと戻って行った。




厨房スタッフもどこか覇気に欠けているような気がする。そんなことを思いながら、サフィアは仕込みの手伝いをすることにしたのだが。
「ふむ…確か左手は猫の手だったな」
「!?」
思わず振り返ると、そこには真剣な表情で包丁を握り野菜を切ろうとするジークフリートの姿。思わず冷や汗が出そうになる。
(野営食でも包丁は握ります…よね…?)
まさか剣で切っているのではと思ってしまうサフィアであった。




グラン達も厨房にやって来て、メニューの仕込みは大方終わった。だがフロアに出てきてみても、やはり来店客はおらず、店はがらんとしている。イベント参加者は多いのだが、どうやら最近できた〝リストランテ・ニュー〟という人気店にもっていかれているようだ。一行は、お客のいない今のうちにと、一時閉店して敵情視察へと赴くのだった。

/ 138ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp