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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第27章 【ビストロ・フェードラッヘ】オープニング


それをきき、ルリアが目をぱちくりさせて首を傾げる。
「え…?それじゃ、サヴァランさんに認めてもらえるお料理を作ればいいんですか?」
「うっ!?」
しまった、とでも聞こえてきそうな表情になるサヴァラン。
「あぁ、そういうことだよな?」
「だよね」
「なっ!?」
サヴァランに認めてもらえる料理を作ろうと意気込むグラン達。だがサヴァランもまた言い返した。
「び、美食をなめるなよ!お前達の様な素人が何人束になろうとも、私を認めさせる料理は作れない!作れるわけがなァい!!」
その時、成り行きを黙って見守っていたパーシヴァルが、サヴァランをまっすぐと見て言った。
「全空に名高い美食家、ブリア=サヴァラン殿とお見受けする。この者達を素人と侮るなかれ。この者達は、やると言ったら必ずやり遂げる覚悟を持っている」
パーシヴァルの言葉を受けてサヴァランが両目を見開く。皆もまた、若干の驚きを見せながらパーシヴァルに顔を向けた。
「き、貴殿はもしや…パーシヴァル殿!ウェールズ家のパーシヴァル殿では?」
「いかにも…こうしてお目にかかるのは、いつぞやの会食以来かな」
目の前で繰り広げられる貴族の会話。そしてサヴァランは、深く息を吐くとパーシヴァルをまっすぐ見据えた。
「貴殿がそこまで言われるのなら、私も考えを改めなければならない」
彼は改まった様子でグラン達に向き直った。
「現在開催されているグルメイベント中に売り上げ一位を達成すること…さらに、全空一の私の舌を満足させられるコース料理が提供できれば、閉店を考え直してもいい」
なるほど、そうきたか。確かに今は〝評価〟するのに絶好の機会だ。全ては客の評価に反映するのだから。
「ほ、本当か!」
膝をついたままだったヴェインが勢いよく立ち上がった。
「あぁ、この舌に誓って約束する。だが失敗した場合は、この店を閉店するだけでなく、お前達からも相応の代償を頂く。それでは、せいぜい頑張ってくれたまえ」
どうせできはしないだろうがな。言葉には出さなかったものの、サヴァランの顔はそう物語っていた。威厳たっぷりに去っていくサヴァランを見送り、一斉に息をつく。そして一同は、今後について落ち着いて話し合うのだった。
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