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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第27章 【ビストロ・フェードラッヘ】オープニング


サヴァランの大声をきいて、外で待機していたグラン達もが店内に駆け込んできた。ジークフリートとパーシヴァルの姿を目にして、ジャックはまたも震える。
「あなた達は、もしや……黒竜騎士団時代の団長様と副団長様では…!」
「…あぁ、そうだ。その名で呼ばれるのは久しいな」
「で、貴様は何者だ?」
じろり、とパーシヴァルの目がジャックに向けられる。ジャックは一呼吸して語り始めた。
「俺は…黒竜騎士団時代に、ヴェインと同期の見習い騎士でした。でも、自分に騎士の才能が無いと知り退団して、しばらくふらふらした後、両親が残したこの店を継ぎました。今はこの、両親となや思い出が詰まった〝ビストロ・フェードラッヘ〟の店長を任されています」
ジャックが言い終わると、溜息が聞こえてきた。騎士達や騎空士達では無い。そちらを向くと、サヴァランがうんざりした顔で言った。
「もういいか…?お取り込み中悪いが、私は失礼させてもらうよ」
「なぁなぁ、喧嘩してた理由を、オイラ達にも教えてもらえねぇか?」
立ち去ろうとするサヴァランにビィが声をかける。彼はビィに目を向けたあと、再度溜息をついて言った。
「喧嘩ではない。私はこの店を潰す正当な理由を彼に伝えただけだ」
「えっ!このお店…潰しちゃうんですか!」
ルリアが驚愕の声を上げるが、サヴァランは平然と続ける。
「あぁ。この店がどうなろうと、部外者には関係ないだろう?」
「店を潰すという理由は?」
関係ないと言われながらもグランが問う。目の前で起きている惨状を、放っておくなどできないという様子だ。サヴァランはグラン達を見たあと、ふんと鼻を鳴らした。
「まぁいい。そこまで言うなら教えてやる。どこにでもある良くある話だ。先代亡き後にジャックがこの店を引き継いだが、力量不足により客も離れて店は傾いていった。そんな中、私がこの店の権利書を担保に金を貸したが、最近では資金繰りも苦しい。だから私はこのビストロ・フェードラッヘを閉めて、新しい店を作ろうと思っている。この店の権利は私にある。この店をどうしようが私の自由だろう?」
なるほど、とサフィアは眉間に皺を寄せた。借金をするに当たって担保は重要だ。本来であれば、本当に金を返す力やアテが無いのなら、店の権利書を担保になど出すものではない。改めて正当な理由を突きつけられたジャックは項垂れてしまった。
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