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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第27章 【ビストロ・フェードラッヘ】オープニング


「ん…あれ…?お、お前…もしかして!ヴェイン…か?」
ジャックに言われ、ヴェインもまた「え?」と声を漏らす。
「俺?…そう言えば、その顔どこかで………って…あぁーっ!ジャック!お前ジャックかぁぁぁー!!」
突然のヴェインの大声が店内に響き渡る。高音では無いからキーンとはならないものの、サフィアやサヴァランの顔を顰めさせるには充分だった。だが彼らの懐かしの再会話は周りを放置して盛り上がっていく。
「そうだよ!久しぶりだなヴェイン!お前副団長になったって聞いたぜ!」
「へへっ…まぁその…俺もあれから色々あってさ」
「いや〜!まさかお前が副団長になるなんてな!正直驚いたぜ!」
「ねぇ、それまだ続く?」
え?と二人の顔がサフィアに向く。彼女は若干口を引き攣らせて苛立ちを覚えていた。反対にランスロットは、動揺と戸惑いを見せながらヴェインに問いかける。
「お、おい…ヴェイン、この方と知り合いなのか?」
「そうなんだよ、ランちゃん!ジャックと俺は、見習騎士時代の同期だったんだぜ!」
「ランちゃん、って…あの...?」
ランスロットとサフィアが何か言う前に、ジャックが「ランちゃん」という名に反応する。一瞬唖然としたかと思うと、すぐに仰天して大声を上げた。
「白竜騎士団のランスロット団長様ぁ!?」
再びサフィアとサヴァランの眉間の皺が深くなる。ランスロットは戸惑いながら「そうだが…」と返した。そしてついに、すっかり蚊帳の外になったサヴァランが、ワナワナと小刻みに震え出した。やば、とサフィアが彼を見る。
「おい…お前ら…さっきから黙って聞いていれば…」
怒気のこもった声に、三人もはっと彼の方を向いた。そして、サヴァランが叫ぶ。
「私を無視して、勝手に話すなぁぁぁぁ!」
その言い方ではどうにも寂しい人のようだとサフィアは思ってしまったが、そっと胸の奥にしまいこんだのだった。
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