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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第27章 【ビストロ・フェードラッヘ】オープニング


大通りに出ると、特に賑わいが大きくなって圧巻された。ここでは今、町おこしの一環でグルメイベントが開催されている。この会場内にある飲食店で、どの店が一番人気かを祭り期間中の売上で決めるイベントだ。
一行がイベント会場の通りを歩いていると、不意に一軒の飲食店の中から言い争う声が聞こえてきた。ただ事では無い様子に、騎士達の目の色が変わる。
「心配だからちょっと中を見てくるわ!」
「ならば俺も一緒に行こう。グラン達はここで待っていてくれ」
「すぐ戻るから」
一瞬にして〝騎士〟の顔になった三人を、グラン達は心配そうな表情で見送るのだった。





準備中の看板がかけられた飲食店に、ランスロット、ヴェイン、サフィアは足を踏み入れた。そこで目にしたのは、土下座をする男と、それを偉そうに見下ろす男の姿だった。
「サヴァランさん、お願いします!お金はなんとか用意するんで、考え直してくれませんか?」
「ジャック…お前にこの店は荷が重い。もはや全盛期を失ったこの店を存続させる価値は無い!」
店長と、地主か何かだろうか。一瞬険しい顔をした後、その表情を崩してヴェインが二人に割って入る。
「はいはい二人とも!喧嘩しちゃダメ!ひとまず冷静になって!」
「失礼する。我々は白竜騎士団の者だ。少し話を聞かせてもらおうか」
ランスロットも冷静な声で言うが、サヴァランと呼ばれた男は怪訝そうな顔を彼らに向けた。
「騎士だかなんだか知らんが、いきなり何だお前らは?」
「このフェードラッヘを守護する白竜騎士団の方達ですよ」
問いに答えたのは、店長と思わしきジャックと呼ばれた男だった。彼は騎士達に向き直るとその頭を下げる。
「ご迷惑をお掛けしてすみません!もう大丈夫ですので帰って下さい!」
「そう言っても、全然大丈夫じゃなさそうだしな〜」
「店の外まで聞こえる言い争い、店を存続させる価値が無い、なんて言葉を聞いてしまってはねぇ」
ヴェインとサフィアが言うと、ジャックは、う、と言葉を詰まらせる。だが不意にヴェインを見つめて、何か気がかりな様子で首を傾げた。
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