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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第26章 【ふたりの騎士道】エンディング


「アーサー」
そこで、サフィアが彼の名を呼んだ。
「〝誰一人欠けることなく避難させること〟」
「えっ?」
それは先程、受験生達を逃がす際にアーサーに向けた〝任務〟。
「避難はさせられなかったけど…誰一人欠けることは無かった。ありがとう」
「そん…な……」
途端、ぐらりとアーサーの身体が傾く。咄嗟に手を伸ばして受け止めれば、穏やかな音が聞こえてきた。
「…寝ちゃった」
「余程疲れたんだな」
「俺がおぶっていくから、このまま寝かせといてやろうぜ」
サフィアの腕の中からアーサーを受け取り、ヴェインがよっと背負う。
「では、皆の者、これより下山を、」
「させると思ってるの?」
「えっ?」
ランスロットが歩き出そうとした時、その前にサフィアが立ち塞がった。
「…サフィア?」
「傷!手当!あんた重傷手前!」
「いや、だから、大丈、」
「ぶじゃない!ほら座る!」
「わ、わかったよ…」
物凄い剣幕で言われ、ランスロットは渋々その場に座り込む。鎧を外させて手際よく治療していく様を、一同は見守っていた。
「うわぁ…すごいなぁ」
「…確かに、俺らじゃ比べ物になんねーな」
さすがのヘンリーも負けたと思っているようで、トネリロの隣でぼそりと呟いた。
「にしても…ランスロット団長、サフィアには勝てないんですね」
「いや、これはなんというか…」
「なに」
「なんでも…」
言い返せないランスロットの様子に、思わず小さく笑いが込み上げる。あんな激戦があった直後だというのに、穏やかな空気に満ちていた。

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