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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第25章 【ふたりの騎士道】ふたりの騎士道


動きやすくなった、とサフィアは剣を振るいながら感じた。ふと目の端に映ったのは、怪我人を安全な所へ連れて行くトネリロとヘンリーの姿。本来は自分がやるべき事であるが、守りながら戦うので精一杯になっていた。
(そこに気づいてくれたのね…)
彼らは応急手当の実習成績が良かったはず。なら任せて安心だろう。アーサー達は、と目を走らせれば、骸達の真っ只中にいた。
「あの子達…っ」
自分達から突っ込んでいくなんて、何を考えているのか。周辺の敵を薙ぎ払い、サフィアは彼らの元に走った。サフィアが彼らに合流した頃には、そこには三人の他にも面子が増えていた。怪我人を避難させ手当をしていたトネリロとヘンリー、そして手当を終えて再び奮起した騎士。
「アーサー!あんた達、何する気!?」
「あいつの頭を砕くんです!」
「頭?」
「骸骨を操ってる霧は骨竜の頭から出ています。だから頭を砕けば、骸骨は出て来なくなる」
「なるほど…」
早口に事情を説明され、サフィアは一瞬思案する。
「わかった、援護するわ、アーサー」
「ありがとうございます!」
先程の一掃で骸の騎士が減っている今がチャンス。仲間達が道を切り開き、サフィアの援護を受けながら、アーサーは突き進んで行く。
「行くぞっ…!」
ぐっと剣を握る手に力がこめられる。
「はぁぁぁぁぁぁぁっ!」
骨竜の角を潜り避けながら、隙を伺うアーサー。さらにその隙間を縫うように、サフィアの弾丸が骨竜の目を捉えた。
「グォォオ!!」
「ここだぁぁぁぁ!!」
一瞬の隙を突き、アーサーが跳躍して骨竜の頭蓋骨に剣を突き立てる。その一撃は頭蓋骨を砕くまでには至らなかったが、表面に大きな亀裂を走らせた。
「くそっ!届かなかったか....」
だがその一撃は確実に効いている。黒い霧は薄まり、骨竜は苦しそうに呻き声を上げた。もう一撃、とアーサーが身構えようとしたその一瞬の隙。
「しまっ…!」
アーサーの頭上から、鞭の様にしなる骨竜の二本の角が襲いかかった。
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