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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第25章 【ふたりの騎士道】ふたりの騎士道


戦いが長引くにつれて、ランスロットが肩で息をし始める。
「ランちゃん…!」
「だい、じょうぶだ…!」
(これ以上は…っ)
それでも彼は剣を下ろさない。まっすぐ前を見すえている。だが骸の騎士達が立ち塞がるせいで、元凶となっている骨竜に近づくことができないでいる。防戦一方で成す術がない。これ以上長引けば、ランスロットの傷だけでなく、自分達も危うくなってしまう。
「ぐっ…このままではじり貧か…」
万事休すかと思われた、その時だった。複数の足音が聞こえ、その声が響き渡った。
「ランスロット団長!」
「アーサー!それにお前達!なぜ戻って来た!」
逃がしたはずの受験生達が、再びこの場に戻って来たのだった。
「オレ達なりに、色々考えたんです」
「命令を無視して、悪いと思ってます…。でも、仲間を見捨てて逃げ出すような奴にはなりたくなかったんです!」
アーサーの、モルドレッドの、クルスやトネリロ、ヘンリーの目には、熱い光が灯っている。
「だから俺達も…」
「「一緒に戦います!」」
アーサー達の真剣な目に見つめられ、ランスロットは思わず苦笑した。
「ふっ…そうか、わかった。やるからには、全力でやってみろ!」
「うし!今度は、お前達が仲間を守る番だ!」
「「はいっ!」」
ランスロットとヴェインに激励され、五人の少年達は各々に気を引き締めて剣を構えた。その様子に、サフィアも苦笑を浮かべる。
「熱い熱い、あっついわねぇ…」
「サフィア?」
目を瞬かせて首を傾げたのはグラン。彼女は少年達と、彼らを導く二つの姿を目に留めて言った。
「誰かさん達そっくり」
「あはは…」
察したグランは乾き笑いを漏らした。だがすぐに、「でも」と続ける。
「サフィアも負けてないと思うよ」
「……そうね、認めるわ」
に、と口元に笑みを浮かべる。
「さぁて…ここから盛り返すわよ!」
剣を構え、気を引き締め直し、彼らは再び戦いに挑んだ。

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