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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第2章 【救国の忠騎士】暗躍する黒い影


調査していくうちに飲料水にしている川の水が怪しいとにらんだジークフリート。調査の先は上流にある慟哭の谷へ及んでいた。彼はそこで、封印されたファフニールの元を訪れたシルフと護衛兵達を見かけた。隠れて谷に入ったジークフリートは、そこで無造作に廃棄される黒ずんだ宝珠を発見したのだという。人気の無い慟哭の谷の奥地に捨てるような、誰かに見られてはまずい物。
「…はっ!?まさか…その黒ずんだ宝珠が川の水を汚染している原因だった…?」
ソフィアの上げた声をきき、ジークフリートは静かに頷いた。
「…ということは、俺達王都の人間が、川の水を汚染していた張本人だと?」
「…そう。全ては王都と…シルフのせいだ」
「シルフ様が…?」
ジークフリートの言葉にランスロットもサフィアも動揺と困惑を隠す事ができない。
「それで!その黒い宝珠ってのは何だったんだ?」
「無論、調べた。その結果、ある事実が判明した」
ジークフリートは少しの一拍を置き、言い放った。
「それは…星晶獣シルフが霊薬アルマを生み出す過程で発生した毒物を多量に含んだ物だった」
「なん…だと…」
「毒、物…」
ランスロットとサフィアの声が震える。その目は見開かれ、表情は愕然としていた。
その宝珠から漏れだした毒物が少しずつ川の水に溶け、密かにルフルス村の人々を苦しめていた。話をしながら、さらにジークフリートは奥への扉を開いた。そこにはカルマと呼ばれる毒物が保管されていた。これらは一時的に保管された後、今も人知れず慟哭の谷に廃棄されているのだそうだ。大量に保管されたそれらを目にして驚愕する。
「これが…この国の真実なの…?」
「…信じ難いだろうが、その通りだ」
サフィアの呟きを拾い、ジークフリートが答える。とその時、牢屋の方から声が聞こえてきた。どうやら新たな警備兵がやって来たらしい。村人達がいない事を発見されてしまったようだ。
「…時は満ちた。この混乱に乗じて、王宮に乗り込み国を蝕む病巣を取り除く」
その声に、村人達も奮起する。警備兵達が奥の部屋まで入り込んで来ると、ジークフリートは大剣を構えながらランスロットに問うた。
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