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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第2章 【救国の忠騎士】暗躍する黒い影


「やはりここは、王都の施設なのか?」
「あぁ。ここは王宮の真下にある隠された地下牢だ」
「どうしてそんなものが…」
「王都でその存在を表立って知られてはまずい者達を投獄する為だ」
つまり、この村人達はそういうことなのだろうか。話をきくと、彼らは慟哭の谷の麓にあるルフルス村の人々との事だった。それはソフィアが旅の道中で訪れた、奇病に倒れる人達が続出している村。奇病に苦しむ村人達を助ける為に村の窮状を王都に訴えに来たところ、騙されてこの地下牢に閉じ込められてしまったという。ソフィアはその村人達は魔物に襲われて行方不明になったときいていたらしく、それを知った村長はすっかりと項垂れた。
「確かに…王都は伏魔殿。恐ろしい魔物が潜んでいるな…」
「なぜ、ルフルス村の村民が地下牢に?騙されてというのはどういうことだ?」
動揺を隠せないままランスロットが問いかける。
「ここから先は、俺が話そう」
そう言って、ジークフリートは兜を脱いだ。久方ぶりに、露わになった彼の素顔を目にする。
「なぜルフルス村の村民達が、王都の地下に投獄されていたのか?その理由は、ルフルスの村民達を苦しめる奇病にある」
慟哭の谷の麓にあるルフルス村では赤子や老人が突然死する謎の奇病が流行っている。その謎の奇病は村を離れると軽くなるため、村人達は風土病だと考えた。だが原因は一向に突き止める事ができず、ヨゼフ王の元へ窮状を訴えに走った。村人達を不憫に思ったヨゼフ王は私財を擲ってシルフの霊薬を買い与え、さらにその風土病を調査するようジークフリートに命じた。
「待った待ーった!そんな病気の話は、今の今まで聞いた事が無いぞ?」
静かに話を聞いている中、納得ができないというようにヴェインが声を上げる。確かに、そんな重大な事だというのに、今まで少しも耳にした事が無い。騎士団員である自分達ですら知らない話だ。
「強き国であり続けなければというプライドから、王と一部の者達だけで共有していた秘密だったからな…知るはずもない」
困惑の声はジークフリートの冷静な声で抑えられ、彼は話を続けた。

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