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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第24章 【ふたりの騎士道】古竜の祠


「くそっ…一体何がどうなっている!」
「こんな時の為にオイラ達がついて来たんだ!オイラ達も戦うぜ!」
「…その気持ちは有難いが、ここは俺達が食い止める!」
ビィの申し出を断り、ランスロットはその光ある眼差しを骸達に向ける。続くようにサフィアも剣を抜き、彼の隣に並んだ。ランスロットが頷き、グラン達に言う。
「グラン達は、退路が絶たれる前に受験生達を先導して避難してくれるか?」
「…わかった。任せて!」
グランも思うところはあったが、ランスロットとサフィアの強い瞳を信じて頷く。
「グラン、恩に着る!」
「頼んだぜ!グラン!」
ヴェインもまた武器を構えて並んだ。
「ヴェイン班長!俺達が加勢します!」
「あぁ!こんな奴ら、脆そうだし余裕だぜ!」
「えっと…僕は…その…」
「…いつでも行ける」
そこへ第三班の面々がヴェインの元に出てくる。だがすかさずヴェインがその決意を打ち切った。
「ダメだ!気持ちは嬉しいが…お前らじゃ足でまといだ!俺達が時間を稼いでいる間に、お前達は他の受験生を連れて逃げろ!」
「でも…」
「でもじゃない!上官の命令に従え!」
びくり、とアーサー達の身体が震えた。ヴェインは厳しい表情を一変させ、彼らに笑みを向ける。
「それに、俺がこんな魔物に負けると思ってるのか〜?」
「い、いえ…その、死なないでください」
「死なねぇって!わかったらさっさと行け!」
第三班、そしてグラン達は、その三人の騎士の背中を数秒見つめ、受験生達を連れて洞窟を抜ける為に駆けて行った。
「退路を確保しながら少人数で多数の敵の侵攻を抑える…なかなかの難易度ではあるな」
「これよりキツい戦場なんて、腐るほどあったろ?」
「そうそう」
こんな状況だというのに、三人の顔には微かに笑みが浮かんでいる。
「違いない。今日はいいところを見せよう!」
「あぁ!大暴れしてやろうぜ!」
「各班長は、俺達の援護に回ってくれ!」
残った試験官達に指示を出し、三人は一層深く構える。試験官達もまた、己の武器を構えて敵を見据えた。
「では…行くぞっ!」
白竜の名を持つ騎士達が、大切な場所と時を守る為、一斉に駆けた。
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