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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第22章 【ふたりの騎士道】ひよこ班、山を登る


狼の遠吠えを聞き、ランスロット達は急ぎ受験生達の前に来て呼びかける。
「どうやら狼達が群れで行う狩りに遭遇してしまったようだ!受験生は各班長の元に速やかに集合しろ!」
ランスロットの号に従い、受験生達は自分の班長の元へと集まる。
「皆は焦らず密集陣形を取って防御に専念してくれ!」
指示に従い陣形を作る一同。だが慣れた狼達の方が素早く、あっという間に包囲されてしまった。
「くっ……戦闘開始後の細かい指示は各班長に仰げ!」
「お前達!俺の傍を離れるなよ!」
自分の元に集まる第三班の面々にヴェインが声を掛ける。
「ヴェイン班長!俺達にも戦わせてください!」
「オレ達にもやれます!」
アーサーとモルドレッドが威勢よく声を上げる。だがヴェインはさっと首を振った。
「ダメだ。お前達はサポートに徹してくれ」
「相手は群れで狩りをする狼だ…戦闘に不慣れな受験生が足並みを乱せばそこが狙われる」
ランスロットの冷静な言葉にアーサー達はぐっと息を詰めた。
「集団の敵を相手にする時は、実力のある者が速やかに頭を狙うのが定石だ」
その言葉を、アーサー達だけでなく他の班の受験生達も聞き入った。そしてタイミングを見計らうかのように、一際大きな身体をもつ狼が前に出て来る。
「あいつが群れのボスみたいね」
「あぁ、どうやらそうみてぇだな!」
「これから俺とヴェイン、サフィア、団長達で敵のリーダーを討つ」
ランスロットの言葉にアーサーは「えっ」と小さく声をあげた。
「サフィアさんも?」
「当然。見てなさいよ」
その意外と思う考えを、すぐに改めさせてあげるから。
「行くぞっ!」
ランスロットの号により、一斉に武器を構える。そしてまずは素早さを誇るランスロットとサフィアが駆けた。前面から仕掛けるランスロットに気をひかれた隙をつき、サフィアが跳躍する。素早くボスの後ろに回り、斬りつける。尾に叩かれそうになったところをなんとか避けると、続け様に来ていたグランが斬りかかった。細かな傷をいくつもつけられ、ボスの動きは次第に鈍くなっていく。
「ヴェイン!」
「あいよ!」
「これで…最後だ!」
「決める!」
ランスロットとサフィアが最後の強襲を仕掛ける。そしてその巨体にヴェインのハルバードがとどめの一撃を食らわせると、狼のボスは大きな音を立てて地面に倒れ、動かなくなったのだった。

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