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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第22章 【ふたりの騎士道】ひよこ班、山を登る


陽が落ちる前に、一行は開けた場所に陣取って野営の準備を進めた。自分達でテントを張り、自分達で火を起こす。その点において第三班は問題なくこなせているようだった。
怪我人や体調不良者がいないか見回っていたサフィアは、不意に鼻をくすぐる匂いを感じてそちらを見つめる。そこには第三班とグラン達が火を囲って食事をしている姿があった。
「あっ、サフィアさーん!」
ルリアに手を振られ、サフィアは苦笑を浮かべながら手を振り返す。試験官ではないものの、本来サフィアはランスロット同様全体を平等に見る立場だ。申し訳ない気持ちはあるが、そこはヴェインがフォローを入れてくれるだろう。サフィアはランスロットのいるところへと向かった。






ランスロットと共に野営食を作り、火の前に座る。ヴェイン程とはいかないが、満足のいくものはできて身に沁みる。
「ご苦労様、サフィア」
「ランスロットもお疲れ様」
互いに労いながら食を進める。
「皆の様子、サフィアから見てどうだ?」
「そうね…基礎訓練基礎訓練ってしてた分、第三班はこの登山でも言うほど疲れは見えてないかな。他の班もそれほどまでには、では無いけど、第三班に比べたら少し疲れが見えてるかも」
「そうか…そこはヴェインの指導の賜物だな」
訓練内容ほ試験官が決めるものだ。まずは体力と筋力!と筋トレと走り込みをしっかり行った第三班は、地の積み重ねがしっかりできている。
「怪我人や調子の悪そうな子はひとまず無し。隠してたら別だけどね」
あえて隠しているとなるとこっちも気づくことができない場合がある。そこに関しては肩をすくめるしかなかった。
「ともあれ、この試験が終わるまで誰も怪我をしないでほしいものだな」
「せっかくここまで来たんだから、皆合格してほしいわよね」
あたたかいお茶をすすってサフィアが微笑む。ランスロットも同意するように頷いた時、この場に似つかわしくない、壕たる声が響いた。

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