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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第22章 【ふたりの騎士道】ひよこ班、山を登る


登山の最中、第三班は順調に登れているようで安心する。他の班に比べて疲れが薄く見えるのは、兎にも角にもヴェインの筋トレと走り込みの基礎訓練があってこそだろう。かくいうサフィアも、慣れた様子で山を登っていた。
「サフィアさんって、女の人だけどすごいですよね〜。こんな山もひょいひょい登って」
「ひょいひょいってね…」
アーサーの言い方に思わず苦笑する。
「そうだぞ〜、サフィアはすげーし強いんだ!」
「…サフィアさんは医療騎士で、非戦闘員だとききましたが」
クルスの言葉に軽く目を瞬かせるサフィア本人とヴェイン。彼女は「そうね」と語り始めた。
「医療騎士は本来、前線には出ない、後方支援の役割を持つ。でも私は元々前線で戦う騎士志望だったし、今も鍛錬は怠っていないわ」
「へぇ…」
今度はモルドレッドが目を瞬かせた。意外、とでも思ったのだろうか。
「私は女だけど、そんな事関係なく騎士になりたいと思った。男達と同じ訓練をして、脱落する奴らがいる中でも食らいついて、そうして認めてもらえたから、騎士になれた。…医療騎士を任ぜられたのは、予想外だったけど」
最後はどことなく寂しそうな表情を見せる。皆と共に目指した騎士が、自分だけ少々立場の違うものになってしまったからだろう。
「それでも俺達の仲間な事に変わりはないけどな!」
「そうね」
ヴェインにつられてサフィアも微笑む。グラン達やヴェインの他愛の無い話を時々挟みながら、第三班は山を登って行く。

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