第16章 潜入、白鳥沢学園2日目〜仲直りの先〜
「そうだな。天童、あまり人の事を笑うのはよくない」
「「おお!」」
「うぐっ!?……わ、若利くんが怒るなんて珍しいネ……」
「怒ってはいない。ただ注意しただけだ」
「そ、そっかぁ!それならよかったー」
「……あんなに爆笑してた天童さんを一瞬でやめさせるなんて凄いな。あの人、1回笑い出したら中々止まらないのに」
「流石牛島さんです!」
確かに、流石は若利さんだ。ああなった覚さんを止める事が出来るのは、若利さんの他にもう獅音さんぐらいだろう。
私も賢二郎さんと一緒に尊敬の眼差しを向けていると、工が悔しげに顔を歪めてボソリと呟いた。
「う、牛島さんの助けがなくても、別に大丈夫だったのに」
「!?」
(つ、工…!何て恐ろしい事を……!)
先程の台詞が賢二郎さんに聞かれたらきっと…いや、確実に大変な目に遭う。工が。
聞かれていなかっただろうかと心配になり、チラリと賢二郎さんを見ると、気付かなかったらしく変わらず若利さんに尊敬の眼差しを向けていた。その事実に人知れず安堵の息を吐いていると、獅音さんがにこやかに近づいて来た。
「? どうしたのですか?獅音さん」
「やっぱり、お前達は笑顔が似合ってるよ。……工と仲直り出来てよかったな」
獅音さんはそう言ってポンッと私の頭に手を置き、優しく撫でてきた。
「!……はい、ありがとうございます」
その言葉を聞き、みなさん…特に獅音さんには心配かけさせていた事を思い出し、感謝の気持ちを込めて笑顔でお礼言った。そしたら、獅音さんも優しく笑ってくれた。