第15章 潜入、白鳥沢学園2日目〜黒鷲捜し開始!〜
(……て、呑気に解説している場合じゃない)
もしかしなくても、男の人が言った『彼女さん』は私の事だろうか。どうしてそんな風に捉えられたのか分からず目を白黒させていると、英太さんが勢いよくこちらを振り返った。その顔は遠目から見ても分かる程に赤くなっている。
「おい!突然何言ってるんだよ!俺に彼女は……って、真白!?」
最初は男の人に文句を言っていた英太さんだったけど、私がいる事に気付いたのか、目を見開いて驚いた後小走りでこちらに近づいて来た。
「瀬見も名前呼びって事は、僕の推理は間違っていなかったね。僕ってば名探偵!」
「バカ、大間違いだ。見習いからやり直してこい」
「えっ!?そうなの!?じゃあ誰!」
「マネージャーだよ」
「マネージャー!?男バレいつの間にマネージャー雇ったんだ!?」
「昨日からだ。つっても1週間だけだけどな」
「へえー」
……どうやら、私が英太さんの事を名前で呼んだから彼女なのだと勘違いされたらしい。そんな事でと思わず苦笑いしていると、英太さんが申し訳なさそうにこちらを向いた。
「悪りぃな真白。こいつが変な勘違いして」
「ごめんね!」
「いえ!大丈夫です!」
「それならよかった。……ここじゃあ話しづらいから、廊下に出るか」
先程の爆弾発言のせいで、他の人達から注目を浴びている。確かにこれでは話しづらい。
英太さんの提案に頷き、私達は廊下に出た。
「それで、どうしたんだ?俺に用事があって来たんだろ?」
「はい。鍛治さんから2、3年生にプリントを渡すよう頼まれたので、お届けに参りました。どうぞ」
「お、わざわざありがとな。……ああ、体育館の点検早まったのか」
そう言った英太さんの表情は明らかに曇っていて。バレーが本当に好きなんだなと、微笑ましく思う。
「残念ですね」
「まあ、しょうがないだろ。用事はこれだけか?」
「いえ、あともうひとつ。実は聞きたい事がありまして」
「ん?何だ?」
「えっと、3年生で、赤い瞳をもった男性に心当たりはありませんか?」