第15章 潜入、白鳥沢学園2日目〜黒鷲捜し開始!〜
「あはは…。頑張ってください、工」
「……応援してくれるなら、手伝ってくれる?」
「ごめんなさい」
手伝いたいけど、私の頭では逆に迷惑がかかるだろう。そう思い潔く謝ると、工は恨みがましく見つめた後、諦めたようにため息を吐き教科書とノートに向き直った。
……今はもう、先程のような遠慮のない視線は感じない。多分だけど、工にとってやるべき事があったら、そちらの方が優先されるのだろう。
そう思いながら、最後に残しておいた玉子焼きを口に含み、ちゃんと味わいながら食べ終わった瞬間だった。
「おーい!真白ちゃん!」
廊下の方から、今度は私が呼ばれたのは。
そちらに顔を向けると、学食から帰ってきたであろう鶴岡さん達が笑顔で立っていて私に手招きしている。それを不思議に思いながらも、椅子から立ち上がり彼女達の方に歩いて行く。
「どうしたのですか?」
「白鷲っちのおじいちゃんが呼んでるよ〜」
「こら。ちゃんと鷲匠先生と呼ばないと駄目だろ?」
「えっ!?」
小野川さんと草薙さんの言葉に驚き慌てて廊下を覗くと、そこには確かに鍛治さんがプリントの束を片手に立っていた。
鍛治さんは私の視線に気付くと、軽く片手を上げた。それに会釈して応えてから鶴岡さん達に向き直る。
「ありがとうございます」
「いいよ、気にしないで。それじゃあまたね」
「はい!」
手を振りながら教室に入って行く鶴岡さん達に手を振り返し、小走りで鍛治さんの前に行く。
「こんにちは、鍛治さん。お待たせしました」
「おう。そんなに待ってねぇから大丈夫だ」
「それならよかったです。それで、どうしたのですか?」
私の疑問に鍛治さんは頷くと、持っていたプリントの束を渡してきた。プリントの最初には『明日、明々後日の日程』と書かれている。
「これは?」
「実は来週予定していた『体育館の点検』が早まってな。明日になった。それに伴い、明日の放課後は各自自主練しておけっていうプリントだ。まあ、お知らせだな」
「なるほど。……あれ?それでは、この明々後日は何ですか?」
「ああ、真白にはまだ言ってなかったが、その日は大学生と練習試合がある。あいつらもそうだが、お前も忙しくなるから覚悟しとけ」
「ええっ!?大学生とですか!?」