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白鷲と白鳥沢【ハイキュー】

第14章 潜入、白鳥沢学園2日目〜記憶の『 』〜


「息をしていない。ただの屍のようだ」
「息はしてるだろ!勝手に殺すな川西!……て、おい!なに地面に若利の名前を書いてるんだよ!」
「大丈夫です。牛島さんの名前が書かれているダイイングメッセージなんてこうするので」
「ちょっと賢二郎!なにするのさ!」
「俺達の決死のメッセージを無慈悲に消すとは悪魔か!」
「どっちがですか。……それより、いつまで横になってるんですか。汚れますよ、制服」

「……それで、ハヤシライスは」
「ああ、大丈夫だ若利。明日はちゃんと、みんなでハヤシライス食べれるぞ」
「そうか」

といった具合の怒涛の会話が続き、口を挟む機会が訪れずに終わった。……昨日の夜から思っていたけど、彼らは組んでお笑い芸人としてもやっていけるのではないかと思う。役割もちょうどいい感じに揃っている事だし。
うんうんと頷いてから、輪の中に工の姿がない事に気付いた。その事に驚き慌てて周りを見渡すと、少し離れた所で顔を俯かせて立っているのを見つけた。それに、ギュッと拳を握り締めているのも。
その様子を見て心配になり、小走りで工に近づき顔を覗き込む。

「工?どうしたのですか?」
「うわあっ!?」
「!? ご、ごめんなさい!驚かせてしまいましたね!」
「い、いや平気。それよりどうした?」
「どうしたはこちらの台詞です。みなさんと話さず、ここに立ったままだったので心配しました」
「あ、ごめん……」

私の言葉に工は力なく謝ると、また顔を俯かせて視線を下げてしまった。でもすぐにグッと眉間に皺を寄せ、ボソリとひと言呟いた。

「俺が1番最初に真白を学食に誘いたかったのに、よりによって牛島さんに先越されるなんて……!」
「え?そうなのですか?」
「?……!? も、もしかして俺、口に出してた……?」
「は、はい」

工の確認に素直に頷くと、工は驚いたように目を見開いた後、ぶわっと一瞬にして顔が赤くなった。そして額に手を当て、「ああああ……」と消え入りそうな呻き声を上げた。
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