第14章 潜入、白鳥沢学園2日目〜記憶の『 』〜
「そうか。だが、1回くらいは学食で食べてみるといい。色々なメニューがあり、どれも美味いからな」
「そうなのですか!あ、ちなみに若利さんのオススメは何ですか?」
「ハヤシライスだ」
「ハヤシライスですか。確かにおいしそうですよね」
「……おいしそう?」
「え」
若利さんと学食について話していると、不意に若利さんが眉間に皺を寄せこちらをじっと見てきた。その険しい表情に、もしかして何か失言をしてしまっただろうかと焦る。
もしそうなら謝らないと思っていると、表情をそのままに若利さんは口を開いた。
「おいしそう、という事は、白鷲はハヤシライスを食べた事がないのか?」
「は、はい。そうですけど……」
どうしてそんな質問をするのか分からない。分からないけど正直に答えると、若利さんはカッと目を見開き私の両肩を掴んできた。
「うわあっ!?……ど、どうしたのですか……?」
「それは一大事だ」
「え」
「という事で、明日はこのメンバーで学食でハヤシライスを食べる事になった」
「いやいやいや!何が「という事で」だ!まったく話がみえねぇよ!」
若利さんの決定事項に、英太さんが盛大にツッコム。
それもその筈。あれから朝食を食べて、朝練をして、制服に着替えさあ校舎に行こうと歩き出した途端に、若利さんが主語もなくそう言い出したのだから。
私はちゃんと理解出来るけど、他のみなさんはそうではない。だから説明しようとするけど–––––
「まあ、どうしてそうなったのか分からないが、いいんじゃないか?みんなでハヤシライス食べるのも」
「いや、俺だってみんなで昼を食べるのは反対しねぇけど、何でハヤシライス一択なんだ?」
「何ですか瀬見さん。ハヤシライスでは不満なんですか?」
「怖っ!?おい白布、顔怖えぞ!?」
「そんな事ないですよ」
「そんな事あるわ!つうか、こういう事に真っ先に反応しそうな天童はどうしたんだよ」
「あそこで無事死亡してますよ。あと山形さんも。死因は『笑い死』です」
「天童ー!隼人ー!」