第12章 潜入、白鳥沢学園1日目〜人の優しさ〜
「ちなみに、間違えたらみんなの前で、人生で1番恥ずかしかった出来事を話してもらうからネ♪」
「ええ!?」
しかもそれだけでは飽き足らず、更なる爆弾を投下してきたからさらに驚いた。
「おいちょっと待て!そんなの聞いてねぇぞ!」
「うん、言ってないからね。…そ、れ、に、この会は俺が主催したんだよ。このまま何事もなく会が終わるわけないよネ〜」
「「確かに……」」
「キャー!褒めても何も出ないよ〜!」
「「褒めてない(です)」」
(ど、どうしよう……)
漫才みたいになっている会話を横目に、私は必死に考える。流れ的にはやった方がいいのだろうか?
「あっ。ち、ちなみに、問題は何なのでしょうか……?」
問題次第では楽勝かもしれない。そんな思いを込めて聞くと、天童さんはニヤリと笑った後口を開いた。
「問題はズバリ!バレー部全員のフルネームを答える問題だよ〜!」
「え……」
てっきり結構難しい問題がくると予想していたけど、案外そうでもなかった。バレー部の人達のフルネームなら、自己紹介の時に聞いたから全員分覚えている。これなら楽勝だろう。
「どう?やる?」
「はい、やります!」
「女に二言はないね?」
「ありません!」
「潔い返事!じゃあ1年からスタート!」
「ハイ、我らが主将のこの方のお名前は?」
「牛島若利さんです!」
「ピンポンピンポン!だいせいか〜い!」
「ふう……」
ここまでは順調にいっている。あとひとり正解すればおしまいだ。
「すごいな白鷲。まだ1日も経ってないのに、こんなに正確に覚えてるなんて」
「あ、ありがとうございます。大平さん」
「こりゃ、天童が負けるかもなぁ」
山形さんはそう言って意味深く笑いながら天童さんを見るけど、天童さんは表情を崩す事なくただいつも通り笑っている。その表情を見て何か秘策があるのかと思うけど、あとひとり……天童さんのフルネームを答えればおしまいだ。だから大丈夫だろう。