第8章 潜入、白鳥沢学園1日目〜朝の自己紹介〜
要約するとこうだ。
一度は人間を絶滅させようと考え実行した、黒鷲の一族。その生き残りが今白鳥沢学園にいて、もしかしたらまた人間を絶滅させようと企んでいるかもしれない。それを確認したいけど、私が顔を覚えていなかったために確かめようにも出来ない。
そこで鍛治さんの伝手で、私が転入という形で白鳥沢学園に潜入させ、黒鷲を捜し出す。そして見つけたら即意思を確かめ、人間を絶滅させようとしているなら、迷わずこの封印のお札で封印してくれという訳だそうだ。
「……本当は、『討伐』が一番良いと分かっている。だが、奴らは同じ妖怪で、直属の部下だったからな……」
「大婆さま……」
「……とりあえず、お前の言い分は分かった。だが、真白を白鳥沢学園に転入させるのは難し」
「ほう、そんな事を言って良いのか?」
先程までのしんみりとした雰囲気が消え、大婆さまはニヤリと意味深く笑うと、静かに鍛治さんに近づきそっと耳打ちする。そしたら鍛治さんの目がこれでもかという程かっ開き、勢いよく大婆さまから離れた。その顔は、傍目から見ても分かる程に青くなっている。
(……一体、大婆さまに何て言われたのだろう……)
とても気になるところだけど、鍛治さんのためを思えば聞かない方がいいのかもしれない。
そんな事を思っていると、鍛治さんはゴホンと咳払いをし「分かった。掛け合ってみよう」と先程とは真逆の意見を述べた。……本当に、何を言われたのだろうか。
「恩に着るぞ、鍛治」
「ただし条件がある」
「条件、とは?」
「真白を転入させる代わりに、マネージャーとしてバレー部を手伝ってもらう。ちょうど人手が欲しかったからな」
「そんな事か。ああ、いいぞ」
「ちょ、ちょっと待ってください!!」
当事者である私を置いてけぼりにして、どんどん進んでいく話を一旦切る。そしたら、ふたり揃ってこちらを見ながら首を傾げるから始末が悪い。