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白鷲と白鳥沢【ハイキュー】

第19章 潜入、白鳥沢学園3日目〜真夜中の食堂〜


「どうしたんだ?気分でも悪くなったのか?」
「あっ、いえ、大丈夫です。……絶対引かないとは、やっぱり工の質問を聞かない限りは断言出来ませんが、聞かせてくれませんか?」

胸に湧き起こった不安を無理矢理振り払い、工から話を聞く態勢に入る。そうでもしないと、自分の意思とは関係なしにどんどん不安が募りそうだったから。
……あの時は工の気持ちを考えて言わなくていいとは言ったけど、やはりどうして挙動不審だったのか気になるのだ。それなのに、こんな自分でもよく分からない不安に妨げられる訳にはいかない。
心の中で意気込んでから見つめると、工は1回頷いてから立ち上がり、こちらに手を差し出してきた。

「分かった。……でもその前に、流石にずっと床に座りっぱなしはあれだから椅子に座ろう」
「あっ、そうですね」

確かに工の言う通りだ。
自分で立ち上がろうと思ったけど、せっかく工が手を差し出してくれているのだ。その厚意に甘えて手を伸ばして重ねると、グッと痛くない程度に強く掴まれ引っ張り上げてくれた。

「あ、ありがとう、ご、ざ……」

私はあまり力を入れてないのに、片手だけで引っ張り上げた工の力強さにドキリとしながらもお礼を言おうとして、その言葉が途中で途切れてしまった。
何故なら––––

「…………」
「あ、あの…工……?」

工が握った私の手をじっと見つめながら、ふにふにとまるで感触を確かめるように触ってきたからだ。困惑している間にも、工はふにふにと触り続ける。
そのせいで、くすぐったくなると同時に、せっかく鳴りを潜めていた心臓の鼓動がまた早くなっていくのが分かった。

「ど、どうしたのですか…?急に……」
「……あの時も思ったけど、真白の手って小さいなと思って。……何だかかわいいな」
「かっ……!?」

小さく呟かれた爆弾発言に、私の体温は一瞬にして最大値にまで上りつめた。顔も先程と同じくらい、或いはそれ以上に赤くなっている事だろう。
でも、そんな私の事など露知らず、工は何事もなかったように手を離して椅子に座った。そして、中々椅子に座らない私を不思議に思ったのか、首を傾げながらこちらを見てきた。

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