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白鷲と白鳥沢【ハイキュー】

第19章 潜入、白鳥沢学園3日目〜真夜中の食堂〜


……本当にどうしてしまったのだろうか。工の行動の意味がいまいち分からなくて困惑する。
でも、落ち着いたかを聞いた時頷いていたから、きっと工にとっては何か意味のある行動なのだろう。それに、返事を急かすのはよくないと、先程学んだばかりだ。

だから待っていようと決心したのと––––

「…………」
「え………」

工がゆっくり顔を上げ、こちらに手を伸ばして頭を撫でてきたのは同時だった。

––––なでなで。
そんな擬音が付きそうな程、工は優しく私の頭を撫でる。まるで心ここにあらずと言ったような、ボーっとした様子で。

「えっ…?あ……え……?」

それに対して、私は突然の事に思考が追いつかず、意味の持たない言葉しか出てこない。その間にも、工は私の頭を撫で続ける。……ゆっくり、優しく、丁寧に。

(……あれ?おかしいな……)

その感触のおかげか、やっと思考が追いついたのはよかったけど、自分の身に起こっている異変に心の中で小さく首を傾げる。

先程工に説明した通り、私は頭を撫でられるのが好きになり、それと同時に心が落ち着くのだ。なのに今はその逆で、心の奥がムズムズして、ソワソワして落ち着かない。そして撫でられる度にその感情は大きくなっていき、自分の意思とは関係なしに体温が上昇していく。

(……また、きた……)

しかも体温が上昇するにつれて、また心臓が高鳴り鼓動がいつもより早くなる。悲しくないのに、勝手に涙が滲む。……本当に何なのだろうか、これは。
それに、こうなるのはいつも工が関わっているような気がする。……気のせいだろうか。

「あ、あの工…!そろそろ手を……」

頭の中で色々と考えながらも、自分のためにもそろそろ撫でるのをやめて欲しい事を工に伝える。このまま撫でられ続ければ、確実に自分の心臓が保たないと思ったからだ。

「…………」

でも工は、そんな私の決死の訴えが聞こえていないのか、相変わらずのボーっとしたような様子で撫で続ける。

「〜〜〜〜っ、工……!」

その様子を見て口だけでは駄目だと思い、申し訳ないと思いながらも私の頭を撫でている工の右手首を両手で掴んで無理矢理離させた。


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